ラウル・デュフィ。といってもまあそこまで知名度は高くないですよね。ラウル・デュフィは、20世紀前半に活躍したフランスの画家であり、装飾芸術家としても知られています。その作品には一貫して「軽やかさ」や「明るさ」があり、見ている人の心を和ませるような魅力があり ...
カテゴリ: 歴史のお話
優しさに包まれた色彩の世界。マリー・ローランサンの絵画の魅力とは
マリー・ローランサンは日本でもそこそこ人気が高く、どこかの美術館で一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。たとえばこういう画風の作品を多く残しています。これはオランジュリー美術館にある「ココ・マドモワゼル・シャネルの肖像」という作品です。この画風、 ...
第一次世界大戦と塹壕熱。過酷な塹壕生活が生んだ病
ロバート・グレーヴスの『さらば古きものよ』を読んでいると、第一次世界大戦に従軍した様子が活写されており、当時の兵士の戦場での振る舞いはどのようなものであったのかが伺われ非常に興味深いものとなっています。第一次世界大戦ではフランダースのあたりに英仏と独墺が ...
ロココの華、フラゴナール「ぶらんこ」。ピンク色が生み出す明るさの秘密
ロンドンを訪れたとき、もし時間に余裕があればウォレス・コレクションを訪れるとよいでしょう。大英博物館やナショナル・ギャラリーほどの知名度こそないものの、良質なコレクションで知られており、足を運んで後悔はないはずです。そのコレクションの一つがフラゴナールの ...
ドイツ生まれの青で日本を描く北斎。北斎の影響と国際性とは。
葛飾北斎の代表作といえば「神奈川沖浪裏」でしょう。動くことのない富士山と、一瞬たりとて同じ姿を見せることのない波が一枚の絵の中に封じ込められており、海外でも評価が高いのも頷ける話です。ドビュッシーも交響詩『海』の楽譜の表紙にこの絵を採用していました。それ ...
ウェッジウッドのブルーの特徴とは
ウェッジウッドといえは磁器製品で有名で、日本でもデパートなどで販売されています。私も結婚の贈り物として人にプレゼントしたことがありましたが非常に喜ばれました。創始者はジョサイア・ウェッジウッド(1730-1795)。彼は工房を設立してまもなく、フォルムをシンプルに ...
いとも奥深きナティエブルー
ジャン=マルク・ナティエ(1685-1766)。って誰やねんというお話ですが、この人は画家でした。ルイ15世の治世下、ロココ美術が花開き、絵画にはしどけなく官能的な場面が好んで描かれるようになりました。ジャン=マルク・ナティエはその当時、宮廷の肖像画家として名を馳せた ...
時代によって変わる「青」の持つ意味
青。ブルー。青というとわりと人気の色です。ロイヤルブルーなんていう言葉もありますが英国王室をイメージさせる色でもあります。同じイギリスならウェッジウッドも白と青をうまく使っていて好感度の高い色合いですね。サッカーの日本代表もユニフォームに青を用いています ...
なぜ聖母マリアの衣装は青なのか? 意外な理由があった
国立西洋美術館にも「悲しみの聖母」という絵画が展示されています。世界中の美術館にも同じテーマで繰り返し繰り返し聖母マリアが描かれています。するとあることに気づくでしょう。なぜか画中の聖母マリアは大きな青いマントに身を包んでいることに。他にも色はたくさんあ ...
ゴヤの「マドリード、1808年5月3日」の色使いの特徴について
フランシスコ・デ・ゴヤの名前を一度は聞いたことがあるでしょう。彼の作品はダークな色調に覆われています。好きでそうしていたわけではなさそうです。熱病にかかり、聴覚を失ってしまったことがきっかけでした。不自由さが憂鬱で出口のない内面世界に向かわせたようです。 ...