バカに恵む時間はない! 1秒もムダに生きるな。堀江貴文さんの『時間革命』の表紙にはこのようなキャッチコピーが書かれています。時間の貴さは私のこのブログでも繰り返し説いてきました。なぜ時間が貴重なのか。改めて言うと、・お金は稼げば損失を取り返せる・しかし、失 ...
カテゴリ: 書評
『絢爛たるグランドセーヌ』第19巻からの考察。ティツィアーノの絵画に見る歴史の連鎖と人間の儚さ
Cuvie先生のバレエ漫画『絢爛たるグランドセーヌ』の第19巻。ようやく最新巻まで追いつきました。英国ロイヤル・バレエ・スクールに留学中の奏は『くるみ割り人形』のネズミ役で出演したりキーラの振付作品「ENCOUTER」を踊ったりと充実した日々を過ごしています。あるときニ ...
総合型選抜の志望理由書。個性重視の入試のはずがみんな同じことしか書いてないというパラドックス
私は普段大学入試関連の仕事をしており(厳密に言うと、最近までしていた、ですが)、総合型選抜・・・少し前まではAO入試と呼ばれていた入試の出願書類をしょっちゅう読んでいました。出願書類というのは、英語の能力を証明する書類や学校の先生が作成する調査書の他、志願 ...
「寝ないと死ぬ」のは本当だった。睡眠にまつわる恐ろしい話
「食べないと死んじゃうよ」「寝ないと死んじゃうよ」みたいな言い方って日常生活で普通に使ってしまいがちです。カリフォルニア大学バークレー校教授、マシュー・ウォーカー氏の著作『睡眠こそ最強の解決策である』を読んでいると、「寝ないと死んじゃう」のは本当だと思い ...
三島由紀夫『金閣寺』、主人公溝口の性格。陰キャ中の陰キャだと思う
三島由紀夫の代表作といえば『金閣寺』です。主人公溝口は、吃音と醜い外貌をコンプレックスとし、社会から孤立感を感じていました。それはあくまでも自分が張り巡らせた垣根でしかなく、そういう世界観が基となって金閣寺に火を放つことになります。彼に言わせれば、金閣寺 ...
三島由紀夫『金閣寺』のかっこいい文章にうっとりとなる。でも、あくまでもフィクションです
三島由紀夫の代表作『金閣寺』を20年前に読んだ時はまったく気づかなかったものの、つい最近改めて読み返してみて、そのきらびやかな文体にうっとりとなりました。最初は電車の中で読んでいたものの、電車で読むっていうレベルじゃねーぞ!(「物売るってレベルじゃねーぞ! ...
一度読んだ本は二度と読まないことが多い。でも二度目に愕然とすることがある
本を一度読むと、二度と読まないことって結構ありがちです。とくに年間数十~100冊を超えて本を読む人は生活サイクルに読書というものが組み込まれており、もはや人生の一部となっているでしょう。こういう人は普段から本屋を訪れたり、図書館に足繁く通ったり、アマゾンを空 ...
遠藤周作さん晩年の大作『深い河』に見る過去作品からのこだま
1996年に亡くなられた遠藤周作さん。作品が新たに発見されたり、NHKで『深い河』についての番組が放送されたりと今なお根強い人気を誇ります。入院10回、手術8回を数えるほど病気がちだった遠藤周作さんは、晩年に自分の生涯の総決算となることを念頭に書きすすめた『深い河 ...
『絢爛たるグランドセーヌ』第18巻からの考察。ついに『くるみ割り人形』本番。奏は表現者への道を歩み始めたか
Cuvie先生のバレエ漫画『絢爛たるグランドセーヌ』の第18巻。英国ロイヤル・バレエ・スクールに留学中の奏は英国ロイヤル・バレエ団の年末公演『くるみ割り人形』に「ねずみ」の役として本当に舞台に立ちます。私がこの記事を書いているのは12月。自分自身も数日後に東京バレ ...
夏目漱石『坑夫』の名言。「どうも人間の了見程出たり引っ込んだりするものはない」。人間というものの不確かさを端的に言い表す。
夏目漱石が残したいくつかの小説のなかではかなりマイナーな作品である『坑夫』は、漱石の家に押しかけてきたとある青年の告白を下地にしたものです。良家の「お坊ちゃん」でありながら男女関係で問題を起こして家出してしまった主人公。誘われるまま銅山で坑夫の仕事をする ...