ベネット誰それ? ベネッセ?? そういう反応をする人が大半でしょう。英文学を学んだ人なら、もしかすると「アーノルド・ベネットのこと?」と気づくかもしれません。そうです。アーノルド・ベネットです。ウィキペディアによると、イーノック・アーノルド・ベネット (Eno ...
カテゴリ: 書評
『レ・ミゼラブル』はところどころ飛ばし読みで読破でよいと思う
ヴィクトル・ユゴーの名作『レ・ミゼラブル』は同名のミュージカルの原作でもあり、いつかは読みたいと思っている人も多いでしょう。しかし分厚い文庫本で全5冊(新潮文庫の場合)ともなれば「ほんとうに読めるのかよ」と思って躊躇することもあるでしょう。気持ちは分かりま ...
はだしのゲンの父はなぜ非国民呼ばわりされたのか
当たり前すぎる話ですが、機関銃を装備した軍人に素人が竹槍を持って突撃しても間違いなく射殺されます。そんなことは試してみるまでもなく分かるでしょう。映画『ラストサムライ』の最後の戦いではガトリング砲の威力の前に、馬に乗って突撃しようとする侍たちがなぎ倒され ...
内向型の性格の人におすすめしたいシュティフターの文学
アーダルベルト・シュティフター。知らないよ、で片付けられてしまうのはあまりももったいない。彼は19世紀オーストリアの作家・画家であり、特に静謐で内省的な作風で知られています。彼の「小さなものの中にこそ、真の美と価値がある」という考えは、その文学の本質を表し ...
漫画を早く描く方法。鳥山明先生は時短ネタの神様だった
子どものころ誰もが読んだことがあるであろう「ドラゴンボール」。バトル系漫画の王様と言っても過言ではないでしょう。孫悟空がレッドリボン軍やピッコロ、ベジータそしてフリーザ、セルを撃退する。敵を倒せば次にはもっと強い敵があらわれて、さらにもっと強い敵があらわ ...
『絢爛たるグランドセーヌ』第26巻からの考察。緊急事態宣言、そして英国へふたたび
Cuvie先生のバレエ漫画『絢爛たるグランドセーヌ』の25巻では新型コロナウイルス感染症のことがメインになり、学校が閉鎖されて各国から留学していた学生たちは本国に戻ることに。第26巻では2020~2021年が描かれていました。おそらくこの物語の単行本史上、もっとも時間の進 ...
『風と共に去りぬ』というタイトルの意味と、文芸作品に共感することの難しさ
マーガレット・ミッチェルの『風と共に去りぬ』。タイトルは有名でも一体どんな作品なのか人にセウ名できるか、というと答えに窮しがちです。これは南北戦争時代のアメリカを生きたスカーレット・オハラと彼女の周りにいるアシュリ・ウィルクスやレット・バトラーといった男 ...
感想:『不機嫌な姫とブルックナー団』
高原英理さんの小節『不機嫌な姫とブルックナー団』。講談社によると、天才作曲家にして非モテの元祖・ブルックナーオタク3人組との出会いが残念な女子の運命を変える?図書館の非常勤職員・ゆたきは、男性マニアが集うブルックナーのコンサートで「ブルックナー団」を名乗 ...
脳がすぐにエコドライブモードになるから判断を誤る説
タイトルのとおり、すべての問題に対して、完全に中立な人というのは存在しえないでしょう。人は誰しも自分が可愛いのであり、自己愛というものを持っていますから、自分が信じたいことをつい信じてしまいがちです。だから人によってはマルチ商法にはまったり、新興宗教には ...
森博嗣さんの「何をしたら良いかは、なにかしたらわかる」という名言
ある時、このブログを読んでくださった方から、私は小説家の森博嗣さんと考え方が似ているのではというコメントを寄せてくださったことがあります。不勉強にもそのような方がいらっしゃるとは知らず、実際に小説やエッセイなどを読み進めてみると、いかにも私が書きそうなこ ...