『源氏物語』は光源氏が主人公ですが、第一巻の「桐壺」ではその前の世代の帝と更衣の関係が描かれて始まります。二人の間に生まれた若宮が、のちの光源氏となるわけですね。彼は幼いころから「光る君」などと呼ばれ、小さい頃から眉目秀麗であり、なおかつ気品も具えており ...
カテゴリ: 書評
陰キャがやりたくないことリストを書き連ねてみたら根暗な感じになった件
神田昌典さんの『非常識な成功法則』という本を読んでみると、題名のとおりぎょっとするような成功法則が書かれていました。まず「やりたくないことリスト」を作成しなさい、というのです・・・。この本によると、目標は紙に書くと実現するそうです。なぜ紙なのか。黒板じゃ ...
『お菓子と麦酒』、読んでいて混乱してきてしまう
「甘さ」と「苦さ」。この正反対のものを並べてみると、不思議と心がざわつきます。私が『お菓子と麦酒』を読み進めるうちに抱いたのは、そんな、ちぐはぐでありながら妙に惹かれてしまう感情でした。この作品は、W. サマセット・モームの小説です。物語の語り手である「わた ...
『月と六ペンス』のストリックランドはなぜタヒチに渡ったのか
サマセット・モームの代表作の一つ『月と六ペンス』。これに登場するのがストリックランド。彼はもともとロンドンで株の仲買人を生業としていました。ところが画家になると言って突然家族を捨て、タヒチに移住してしまいます。とんでもない脱サラです。そんなことした人、私 ...
匂いは人を突き動かすか? グルヌイユの事例から
グルヌイユ。これは架空の人物です。パトリック・ジュースキント作『香水』の主人公であり、自分は体臭がまったくない一方で、ずば抜けた嗅覚を持って生まれていました。18世紀のパリ。孤児のグルヌイユは生まれながらに図抜けた嗅覚を与えられていた。真の闇夜でさえ匂いで ...
遠藤周作さんの原点か。『ルーアンの丘』
遠藤周作さんは戦後まもなくのころフランスのリヨン大学に留学し、フランス現代文学を研究していたことは広く知られています。フランス船マルセイエーズ号で横浜から出発し、フィリピンやインドを経由してマルセイユに到着しています。そのあと、フランスに到着してすぐにリ ...
ややこしくて頭がくらくらするヘッセの『ガラス玉演戯』
ヘルマン・ヘッセといえば『車輪の下』が突出して有名で、あとは『デミアン』とか『シッダールタ』『荒野のおおかみ』を知っていればすげー、と言われます。私は大学生のころ新潮文庫に収録されていて、当時絶版にはなっていなかったヘッセの本をすべて買い求め、彼の作品は ...
『絢爛たるグランドセーヌ』第28巻からの考察。コロナを乗り越えて踊り続けること
Cuvie先生のバレエ漫画『絢爛たるグランドセーヌ』第28巻。この巻でも引き続き新型コロナウイルス感染症を扱っています。作中では特に触れられていませんが、少しずつとはいえ様々な規制が緩和されつつあるころだったように記憶しています。冒頭、「シエナ1348」が開演してい ...
『テレーズ・デスケルウ』というじわるフランス文学
フランス文学を読む楽しみの一つは、人間の内面を深く掘り下げるような筆致に出会えることです。フランソワ・モーリアックによる小説『テレーズ・デスケルウ』もその代表格といえる作品で、表面上は静かな田舎で起こった物語でありながら、その奥には怒り、孤独、罪、そして ...
引っ越しのたびに処分しなければならないのに、人はどうして本やCDを買い込むのか
人生で何度か引っ越しを経験すると、ある種の「物の重み」を痛感するようになります。特に、本やCD、DVDなどのメディア類は、数が増えるほど物理的にも精神的にも負担になります。段ボールに詰めるのも大変ですし、処分するときには少なからず罪悪感を伴います。それなのに、 ...









