角川新書より刊行されている蛭子能収さんの「ひとりぼっちを笑うな」。

引き続きこの本についてぼっちなりの視点から取り上げてみます。

【時間の使い方とは?】
蛭子さんは自分の子供時代を「時間を自分の思いどおりにつかえて、自由なことができる。そんな幸福感に僕は満たされていた。もちろん、その考えはいまでも一緒です。だからできるだけ自由な時間を作って、有意義なひとときを楽しみます」と語ります。

これはぼっち(筆者)も同じです。自分のやりたいことがある。ヴァイオリンを使ってバッハの曲の美しさを探求したい。フルマラソンに出たい。エレキギターで弾きたい曲は山のようにある・・・。

そうなると、結局「人とどこかに行く」「友だちと遊ぶ」という時間はカットせざるを得なくなるわけです。自分が生きている間、許された限りの自由時間を何に使うか。そこにあなたである証があるのだと思います。

【ぼっちであるために、お金のこと】
「自由でいるためにはある程度のお金が必要です」。
名言です。経済的自由を得ないと、やりたいことに没頭するだけの精神的余裕が生まれません。
そして、成功したスポーツ選手などにたまに見られるように、大金を手にした途端お金に振り回されてしまう人がいるのも事実です。お金はあくまでも手段であって、目的ではないのです。

【愛することについて】
蛭子さんがご結婚していらっしゃるとは知りませんでした。
奥様を亡くされ、もう一度結婚したいと決心し、実際に行動するプロセスはこうまとめられていました。「いまいる状態を自分がイヤだと思うなら、まずは自分のほうから動かないといけない。自分は自分で他人は他人だから、ひたすら沈黙を続けても状況を変えることはできないのですからね」。

本書の結びのあたりにこの言葉が出てきます。

愛する人がいること。
だから心の安らぎを得られること。
心が落ち着いているから、蛭子さんは蛭子さんのままでいられること。

居場所があるからこその、ぼっち。
この本に示されているのは、長らく芸能界、漫画業界で生き残ってきた蛭子さんの絶妙な人と人との距離感の保ち方だと思いました。


ぼっち(管理人)以外の方の書評はこちらでどうぞ。 → ひとりぼっちを笑うな