「誰一人知る人もない人ごみの中をかき分けていくときほど、 強く孤独を感じるときはない」。
ゲーテの言葉です。
ゲーテの言葉です。
フランクフルト・アム・マインに生まれた彼は戯曲『ゲッツ』、小説『若きヴェルテルの悩み』で文壇の脚光を浴び、疾風怒濤(シュトゥルム・ウント・ドランク)期とヴァイマル古典主義を代表する作家の一人となりました。代表作は、「ファウスト」。
解説は必要ないほど有名な文豪です。
彼は冒頭に掲げたような名言を残しています。
ぼっちをテーマにしたこのブログで取り上げるのにふさわしい言葉だと思いました。
周りに沢山の人がいても、他人だらけ。知っている人は一人もおらず、その中で自分だけがどこかに向かって歩いてゆかなくてはならない。
「人ごみ」という言葉の指し示すことをさらに膨らませてみれば、例えばこういう状況もありえます。
「周りの人たちが何かをしている。同じような動作をしている。ところが自分ひとりだけ自らの心の欲求により、周りと違うことをしなくてはならない。違う道を歩まなくてはならない」。
そんなとき、私達の胸の中にはおそらく強い孤独感・不安を感じることでしょうし、芸術家であったゲーテは自らの表現を確立するためには過去の作家たちとは異なった角度での作品を発表する必要に迫られたことでしょう、そのようなときに理解者が誰ひとりとしていないかもしれないという孤独感を味わったのかもしれません。
もちろん、これは芸術家という看板を掲げて活動している全ての人が感じることに違いありません。ゲーテは結局「他のだれか」になることはなく、前人未到といってもよい大作「ファウスト」のとくに終末の部分の表現に見られるような、目がくらむような高みに到達することができました。これは「孤独」を守り抜いて自分を確立した人物のみが辿り着ける地平であると言ってよいと思います。
これからも「ぼっち」について様々な切り口で考えていきたいと思います。
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