私はなぜかブラウザにはFirefoxを使っています。ChromeとかEdgeにしとけばいいのに、なぜかFirefox。20年近く前にヨーロッパを旅行したとき、ユースホステルのラウンジに置いてあったPCのブラウザがFirefoxでした。それを見た私は「超クール!!」と勘違いして帰国後に自分のPCにもこれをインストールして使い始めたのでした。
そして時は流れ、いまだにFirefoxを使っています。が、最近は挙動が変です。というか、私の通信を邪魔しています。クレジットカードのサイトにログインしようとするとブロック。コンサートのチケットをクレジットカードで購入しようとするとブロック。なんでもかんでも怪しいと思ったサイトは通信を遮断。Chromeだとそんなことはありません。困ったものです。
これはFirefoxが壊れたというより、Firefoxが「安全側に倒れすぎている」と考えたほうがよさそうです。Firefoxには、広告やトラッキングを防ぐための機能がかなり積極的に搭載されています。サイトが別のサイトの仕組みを呼び出したり、Cookieやスクリプトを使ったり、利用者の行動を追跡する可能性があると判断すると、それを制限することがあります。もちろん利用者を守るための機能なのですが、現代のWebサイトは実に複雑です。
銀行、クレジットカード、チケット販売サイトなどは、本人確認や不正利用防止のために、外部の認証サービスや決済サービスを大量に利用しています。つまり「怪しい通信を遮断する」というFirefoxの正義と、「いろいろなところと通信しないと動かない」という現代のWebサイトの現実が、真正面から衝突するわけです。これは、なかなか皮肉な話です。
昔の私は、Firefoxを「自由でクールなブラウザ」だと思って使い始めました。そして20年後、そのFirefoxから「あなたの安全のためです」と言われて、コンサートのチケットを買うことすら邪魔されている。
安全というものは、追求すればするほど便利になるとは限りません。鍵を10個付けた家は確かに泥棒には入りにくいでしょう。しかし、住んでいる本人まで毎朝10個の鍵を開けなければならないのなら、それはそれで面倒です。私はどうも、こういうところが気になります。
セキュリティ、コンプライアンス、個人情報保護、内部統制。どれも大切なのですが、「安全にすること」そのものが目的になってしまうと、今度は普通に生活する人の手間が増えていきます。そして、ここで私が考えてしまうのは、仕事でもまったく同じことが起こるのではないか、ということです。
事故を防ぐためにルールを増やす。問題を防ぐために確認を増やす。例外をなくすために手続きを増やす。その結果、真面目にルールを守っている人ほど余計な作業をすることになる。Firefoxを見ていると、そんな組織の姿まで連想してしまいます。とはいえ、私はFirefoxをすぐに捨てるつもりはありません。20年近く使ってきた愛着があります。ユースホステルのラウンジで見た、よく分からないけれど「超クール!!」だったあの日のFirefoxが、まだ私の中に残っているからです。
ただし、チケットを買えないFirefoxには少し困ります。結局のところ、私はFirefoxを使い続けながら、Firefoxで駄目ならChromeを使うという、実に現実的な二刀流になりそうです。
20年前にはFirefoxを選んだことを「格好いい」と思い、20年後には「Firefoxで駄目ならChromeでいいや」と考える。人間もブラウザも、長く生きているといろいろ変わるものです。
銀行、クレジットカード、チケット販売サイトなどは、本人確認や不正利用防止のために、外部の認証サービスや決済サービスを大量に利用しています。つまり「怪しい通信を遮断する」というFirefoxの正義と、「いろいろなところと通信しないと動かない」という現代のWebサイトの現実が、真正面から衝突するわけです。これは、なかなか皮肉な話です。
昔の私は、Firefoxを「自由でクールなブラウザ」だと思って使い始めました。そして20年後、そのFirefoxから「あなたの安全のためです」と言われて、コンサートのチケットを買うことすら邪魔されている。
安全というものは、追求すればするほど便利になるとは限りません。鍵を10個付けた家は確かに泥棒には入りにくいでしょう。しかし、住んでいる本人まで毎朝10個の鍵を開けなければならないのなら、それはそれで面倒です。私はどうも、こういうところが気になります。
セキュリティ、コンプライアンス、個人情報保護、内部統制。どれも大切なのですが、「安全にすること」そのものが目的になってしまうと、今度は普通に生活する人の手間が増えていきます。そして、ここで私が考えてしまうのは、仕事でもまったく同じことが起こるのではないか、ということです。
事故を防ぐためにルールを増やす。問題を防ぐために確認を増やす。例外をなくすために手続きを増やす。その結果、真面目にルールを守っている人ほど余計な作業をすることになる。Firefoxを見ていると、そんな組織の姿まで連想してしまいます。とはいえ、私はFirefoxをすぐに捨てるつもりはありません。20年近く使ってきた愛着があります。ユースホステルのラウンジで見た、よく分からないけれど「超クール!!」だったあの日のFirefoxが、まだ私の中に残っているからです。
ただし、チケットを買えないFirefoxには少し困ります。結局のところ、私はFirefoxを使い続けながら、Firefoxで駄目ならChromeを使うという、実に現実的な二刀流になりそうです。
20年前にはFirefoxを選んだことを「格好いい」と思い、20年後には「Firefoxで駄目ならChromeでいいや」と考える。人間もブラウザも、長く生きているといろいろ変わるものです。
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