マイナポータルは、使うたびに「どうしてこんなに使いづらいのだろう」と腹が立ちます。今回も、とある行政手続きを行っていました。画面の指示に従って進めていくと、「必要書類を添付してください」と表示されました。まあ、ここまではよくある話です。

そこで私はスマートフォンのカメラで書類を撮影し、その画像をアップロードしようとしました。今どき、行政も「スマホで簡単に手続きできます」と宣伝していますから、当然そのまま送信できるものだと思っていたのです。

ところが、アップロードできません。何度やってもエラーになるので、何が原因なのか調べてみると、なんと画像のサイズに制限があり、3MBを超える画像は受け付けない仕様になっているのでした。

ここでまず思いました。「ふざけるな」と。

今どきのスマートフォンで普通に写真を撮れば、1枚3MBを超えることなど珍しくありません。機種によっては5MB、10MBになることもあります。つまり、ユーザーがごく普通に撮影した写真を、そのままでは受け付けないシステムになっているのです。

ではどうするのかというと、「自分で画像をリサイズしてください」ということになります。

私は普段からパソコンを使っていますし、画像編集ソフトやリサイズツールの存在も知っています。多少面倒ではありますが、画像を縮小してからアップロードすることはできます。しかし、それでも余計な手間であることに変わりはありません。本来なら不要な作業を、利用者側に押し付けているだけです。

しかし、本当に問題なのはそこではありません。

マイナポータルは、一部のITに詳しい人だけが使うサービスではありません。日本中の国民を対象とした行政サービスです。高齢者も利用しますし、パソコンを持っていない人、スマートフォンで写真を撮ることしかできない人も利用するのです。

そういう人たちに向かって、「画像サイズが大きいので、自分でリサイズしてください」と言っているのと同じなのです。

そんなことが、果たして現実的でしょうか。

高齢者の中には、写真を撮ることはできても、画像サイズという概念自体を知らない人も少なくありません。リサイズの方法を調べ、アプリをインストールし、画質や容量を調整して保存し直す。そんな作業を当然のように求めるのは無理があります。結局、「難しくて分からない」と家族に頼むか、役所へ相談に行くか、最悪の場合は手続きを諦めることになります。

しかも、この問題はシステム側で簡単に解決できるはずです。アップロードされた画像をサーバー側で自動的に圧縮する、あるいはアプリ側で適切なサイズに変換して送信する仕組みはいくらでもあります。民間企業のサービスでは当たり前のように実装されている機能です。それを利用者に丸投げしている時点で、「利用者目線」で設計されたシステムとは到底思えません。

デジタル化とは、本来、利用者の手間を減らし、手続きを簡単にするためのものです。それなのに、現実には「画像を縮小してください」「形式を変更してください」と利用者に余計な知識や作業を要求している。これでは、便利になるどころか、かえって手続きのハードルを上げてしまっています。

マイナポータルを使うたびに感じるのは、「システムを作る側の論理」が優先され、「実際に使う国民」の立場が置き去りにされているのではないか、ということです。特に今回の画像サイズ制限には、その発想が象徴的に表れているように思いました。今どきのスマートフォンで普通に撮影した写真すら受け付けない行政システムで、本当に「誰もが使いやすいデジタル行政」を実現できるのでしょうか。