諏訪湖畔に佇むのがハーモ美術館。上諏訪からなら自転車をレンタルして向かうのがよいでしょう。下諏訪駅で下車して徒歩という手段もありますが微妙に遠いので、とくに夏の日や雨の日はおすすめできません。私は以前上諏訪のホテルからタクシーで行きましたが2000円くらいかかりました。大人しく自転車にしておけばよかった・・・。

それはともかく、こちらは小規模ながら優れたコレクションがあることで知られています。ダリの作品がまずロビーにあるほか、グランマ・モーゼスやシャガール、アンリ・ルソーらの作品が展示されているのです。諏訪に来たのならば、これを見ない手はないでしょう。もちろん、窓から諏訪湖の美しい景色を一望のもとに見渡すことができます。これはシーズンによって「美しさ」がずいぶん異なりますが・・・。

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さて、いろいろな物価が上昇しておりますが、ハーモ美術館の入館料も例外ではありません。以前は1,000円で入れたような気がしますが、いつの間にか1,200円になっていました。
高い? いえいえ、じつは割引券がかなり出回っています。昔はハーモ美術館のHPに割引券がアップロードされていましたが、いまは消えていました。代わりに(?)上諏訪周辺のホテルとか近隣の他の美術館のロビーを見渡してみてください。たぶんそこには「〇〇観光ツアー」「〇〇展覧会」とかのパンフレットやチラシ類がたくさんあるはずです。よーく見ると、きっとその中にハーモ美術館のリーフレットもあるはずです。このリーフレットがじつは割引券になっていて、2026年6月時点では200円引き。つまり1,200円の入館料が1,000円になるということ。助かります。

とはいえ、私がハーモ美術館を気に入っている理由は、単に有名画家の作品があるからではありません。この美術館には独特の「静けさ」があります。

東京の大規模美術館へ行くと、人気の企画展ではチケット売り場から行列ができ、展示室の中でも人の頭越しに作品を見ることになります。それはそれで賑やかで楽しいのですが、ときには作品よりも人の多さに疲れてしまうことがあります。

その点、ハーモ美術館は落ち着いています。平日に訪れると、展示室に自分しかいないことも珍しくありません。作品の前に立ち止まり、好きなだけ眺めることができます。誰かに急かされることもありません。

私はグランマ・モーゼスの作品が好きです。素朴な農村風景を描いた絵なのですが、不思議と見ているだけで心が和みます。技巧を競うというより、人生そのものが絵の中に溶け込んでいるような印象を受けます。都会で働いていると、どうしても効率や成果ばかり考えがちになりますが、こうした作品を見ていると「人生はそれだけではない」と思わされます。

もちろん、シャガールの幻想的な世界も魅力的です。青や赤の鮮やかな色彩が目を引きますし、どこか夢の中のような空気があります。美術に詳しくなくても、「なんだか好きだな」と感じられる作品が多いのではないでしょうか。

そして展示を見終えたら、ぜひ窓辺に立ってみてください。

目の前には諏訪湖が広がっています。天気の良い日には湖面がきらきらと輝き、遠くには山々の姿も見えます。冬なら空気が澄み、夏なら湖畔の緑が鮮やかです。同じ場所なのに、訪れる季節によってまったく違う表情を見せてくれます。

私は諏訪を訪れるたびに思うのですが、この地域の魅力は「何もしない時間」にあります。有名観光地を慌ただしく巡るのではなく、湖畔を歩き、美術館で絵を眺め、温泉に浸かる。そんな過ごし方が実によく似合う土地なのです。

東京からなら特急あずさで気軽に来られます。
もし諏訪湖観光の予定を立てていて、「どこか一か所だけ美術館に行くなら?」と聞かれたら、私は迷わずハーモ美術館を挙げるでしょう。入館前にはリーフレットの割引券を忘れずに。