私は物をなかなか買い替えることがありません。炊飯器は26年同じものを使っています。我ながらようこんなに長く使うわ、と思いながらもまったく壊れないのでずっと使いっぱなしです。同様にオーブントースターも固定電話も26年同じものです(同時に購入したのです)。残念ながら冷蔵庫は17年しかもちませんでした。いやそれだけもてば良い方でしょうね。

ルーターも10年は同じものを使っています。しかしさすがに最近インターネットの接続に微妙にタイムラグが生じることがあり、買い替えたほうがいいのではないかという気になってきました。調べてみたところ、「ルーター(Wi-Fiルーター)の寿命はおよそ4〜5年です。物理的な故障だけでなく、「通信規格の進化」や「セキュリティのサポート終了」が理由となるため、不具合がなくてもこの期間での買い替えが推奨されています。」だとか。ということは長持ちしすぎですね・・・。

私は昔から「使えるものは使い倒す」という性格です。もちろん、お金がもったいないという気持ちもあります。しかしそれ以上に、長年使い続けた道具には妙な愛着が湧いてしまうのです。

炊飯器などはまさにその典型でしょう。ボタンの文字は少し擦れて見えにくくなっていますし、外装もところどころ変色しています。しかしスイッチを押せば、今日も変わらずご飯を炊いてくれます。新しい機種には多彩な炊飯モードやスマホ連携機能があるそうですが、私の炊飯器はそんなものとは無縁です。それでも白米を炊くという本来の仕事はきちんと果たしてくれています。

固定電話に至っては、もはや骨董品の領域かもしれません。今や電話といえばスマートフォンの時代です。しかし我が家の固定電話は、26年前と変わらず居間の片隅に鎮座しています。鳴る回数は年々減っていますが、それでも完全に役目を終えたわけではありません。

こうした家電たちを見ていると、人間よりもよほど真面目に働いているなと思うことがあります。文句も言わず、昇給も要求せず、ただ黙々と自分の役割を果たしているのです。

もっとも、ルーターだけは事情が違うようです。

炊飯器やトースターは26年前と今とで求められる役割がそれほど変わっていません。しかしインターネットの世界は違います。26年前にインターネットを使っていた人は、電話回線で接続し、画像が表示されるのをじっと待っていました。動画を見るなど夢のまた夢です。

それが今では高画質動画を見ながら、複数の端末が同時に通信し、オンライン会議まで行います。通信量は比較にならないほど増えました。つまりルーターは壊れていなくても、社会の進歩によって相対的に老朽化してしまうのです。

考えてみれば面白い話です。炊飯器は26年経っても現役なのに、ルーターは10年で「そろそろ引退では」と言われる。物理的な寿命ではなく、時代の変化が寿命を決めるわけです。

人間も少し似ているのかもしれません。昔は十分通用した知識や経験が、いつの間にか古くなっていることがあります。だからといって価値がなくなるわけではありませんが、ときには新しい技術や考え方を取り入れる必要があります。

そう考えると、今回のルーター買い替え検討は単なる家電の更新ではありません。「まだ使える」と「今の時代に合っている」は別問題なのだということを教えてくれる、小さな出来事なのかもしれません。