転職活動をしていて、内定が出ると会社から処遇条件が提示されます。内定が出たからといって気を抜いてはいけません。この処遇条件が求人票に則ったものになっているかちゃんと調べましょう。しれっと求人票とは違うことが書かれていることだって十分ありえます。嫌な話ですが、ここはそういう世界なのです。悪意がなくても、求人票は実は以前の使いまわしでした、のように安直かつ機械的な事務作業が行われているのもまた事実なのです。

そして内定を承諾するかしないのか。私たちはいつかはイエスかノーを言わなければなりません。その期限が会社によってやけに早かったり、遅かったりします。早いところだと3日。長く待ってくれるところだと10日。まあ平均的には1週間といったところのようです。

にしても、なぜ3日のように早いところがあるのでしょうか。これも転職エージェントに聞いてみました。すると、「普通は1週間くらいの猶予がある。でも3日の場合もある。強気な会社だというのが理由の一つ。もう一つは、候補者1位がノーだった場合、2位に内定を出さなければならない。いつまでも1位の返事を待っていると、2位もいなくなる場合もあるので、作業を急がなければならない」。このような回答でした。新卒採用と比べるとものすごく状況が流動的なので、そうなってしまうんだとか。

しかし、実際のところ、この「3日」や「1週間」という時間は思っている以上に短いものです。

なぜなら、内定が出た瞬間、人は案外冷静ではいられなくなるからです。

長い選考を通過し、「ぜひ来てください」と言われる。転職活動中は書類選考で落ち、面接で落ち、あるいは連絡が来ず、不安な時間を過ごすことも珍しくありません。そんな状況が続いたあとに得られる「内定」という言葉には、かなり大きな安心感があります。

だからこそ注意が必要です。

人は安心すると、細かい条件を見落としやすくなります。「年収は上がっているし、まあいいか」「雰囲気も悪くなさそうだったし」「もう転職活動を終わらせたい」。そうした気持ちが自然と入り込んでくるのです。

しかし、処遇条件通知書というのは、ある意味で会社からの“最終回答”です。実際に入社後、自分がどのような条件で働くのかは、そこに書かれている内容によって決まります。

例えば、求人票では「年間休日125日」と記載されていたのに、処遇条件では「会社カレンダーによる」という表現になっていることがあります。固定残業代の時間数が違っている場合もありますし、試用期間中のみ給与が下がるケースもあります。リモートワーク可と書かれていたのに、実際には「原則出社」と説明されることもあります。

もちろん、単なる記載ミスや更新漏れという場合もあるでしょう。
ですが問題なのは、「こちらが確認しなければ、そのまま進んでしまう」という点です。ですから、少しでも気になる点があれば遠慮なく確認するべきです。条件確認は失礼な行為ではありません。むしろ、自分の人生や生活に直結する契約内容を確認するという、ごく当然の行為です。

そしてもう一つ厄介なのが、他社選考との兼ね合いです。転職活動では、A社の回答期限が来る前に、B社の最終面接結果がまだ出ていない、という状況が普通に起こります。すると人は悩みます。

まだ結果が出ていない本命企業を待つべきなのか。それとも、今ある内定を確保するべきなのか。
これは本当に難しい問題です。転職エージェントに相談すると、「期限延長をお願いしてみましょう」と言われることがあります。実際、それで数日程度延びるケースもあります。しかし当然ながら、必ず認められるわけではありません。会社側にも採用計画やスケジュールがあるからです。

結局のところ、転職活動というのは「絶対に正しい選択肢」を探す作業ではないのだと思います。限られた情報と時間の中で、自分なりに納得できる決断を積み重ねていく。その連続なのです。だから私は、内定承諾というのは、「完璧な会社だから入る」というより、「不確実な部分も含めた上で、この会社でやっていこうと決める行為」なのだと感じています。