令和7年分について確定申告をすることになりました。初めてこういうことをするので一体どうなんだろう・・・、と思っていたのですが、想像以上に簡単でした。

なぜならe-Taxを使わずに

https://www.keisan.nta.go.jp/kyoutu/ky/sm/top#bsctrl

こちらのリンクの「作成開始」からスタートさせると、源泉徴収票などを見ながら所定の欄に数字をピコピコ入力するだけで終わってしまったからです。で、内容を確認して印刷して、裏付けとなる資料(たとえば生命保険料をいくら払ったかがわかるものなど)を添付して、マイナンバーカードの裏表コピーとともに税務署に提出、または郵送。それだけでした。

だったらe-Tax無理して使う必要ないよね、と思ってしまったのでした。

もし私がe-Taxを使おうとしたら何をしなければならないか。それは、利用者識別番号の取得とかいう作業を完了させ、電子証明書の取得とかいう作業を実施しなければいけません。まずその時点で「めんどくせー」と思う人が大多数ではないでしょうか。私も最初これらを行おうとしたものの、マイナポータルアプリをスマホにインストールして画面を開いたら自分が探しているものがどこにも見つからず、腹が立ってやめた、ということがありました。

代わりに「確定申告 書面で」というキーワードで検索してたどり着いたのが上記URLというわけです。下手に慣れないシステムを使って申請するよりも、やり方が確立された書面で行ったほうがマシというものです。実は私の知っている司法書士の先生も、この手のシステムは1、2件程度の申請なら紙面で行ったほうが早いとお話していました。確定申告なんて自分一人(つまり1件)のことなので、やっぱり紙でやったほうが楽だ、e-Taxなんて一生使うまいと決めました。

もっとも、これは「デジタルは悪だ」と言いたいわけではありません。国税庁が推進するe-Taxは、還付が早い、24時間提出できる、添付書類の一部が省略できるなど、明らかなメリットがあります。実際、毎年何件も申告する税理士の先生や、医療費控除やふるさと納税のデータ連携をフル活用する人にとっては、圧倒的に便利な仕組みでしょう。

ただ、問題は「自分にとって本当に得かどうか」です。年に一度、しかも1件だけの申告のために、アプリを入れ、利用者識別番号を取得し、電子証明書の期限を気にし、パスワードを管理する。その準備コストと心理的ストレスを考えると、源泉徴収票などを見ながら数字を入力して印刷する時間のほうが、むしろ穏やかで確実に感じられました。

デジタル化が進む社会では、「新しい仕組みを使いこなしてこそ正義」という空気が漂いがちです。しかし本来、道具は目的を達成するための手段にすぎません。ハンマーで十分な場面で電動ドリルを持ち出す必要はないのです。

私は今回、あえてe-Taxではないが、紙を見ながらシステムに入力するという、半分デジタル、半分アナログを選びました。印刷した書類を一枚ずつ確認し、封筒に入れ、切手を貼る。その一連の作業には、どこか手応えのようなものがあります。少なくとも「どこかのサーバーにちゃんと届いたのだろうか」と不安になることはありません。

効率や最新性よりも、「自分にとって無理がないこと」。それを基準に選ぶのも、立派な合理性ではないでしょうか。デジタルかアナログかという二項対立ではなく、その都度、自分の規模と目的に合った方法を選ぶ。今回の確定申告は、そんな当たり前のことを再確認する機会になりました。