金(ゴールド)。古来より富の証でした。それは現代でも変わっていません。私もいくらか金を保有していますが、いつの間にか価値が高騰していて驚いています。大晦日からの2週間で評価額が25万円近く上がるなんて、いったい何事ぞ?
金(ゴールド)価格の国内指標となる地金商最大手の田中貴金属工業が14日午前に公表した小売価格が、初めて1グラム2万6000円を超えた。前日比258円(1%)高い2万6051円を付け、2日連続で最高値を更新した。米インフレの鈍化を示す経済指標の発表を受けて米利下げ継続への観測が強まった。トランプ米政権による米連邦準備理事会(FRB)への政治圧力の激化への警戒と共振し、金を求める動きが広がった。(日本経済新聞2026年1月14日記事「国内金価格、初の2万6000円台に上昇 FRBへの政治圧力を警戒」より)
でもこれって、法定通貨である日本円の信頼や価値が相対的に低下してるってことと表裏一体じゃないでしょうか。問題は、金が「強くなった」のか、それとも円が「弱くなった」のか、という点です。多くの人は価格が上がったという現象だけを見て、前者だと直感します。しかし実態は後者の側面がかなり大きい。金は利息も配当も生まない資産であり、経済成長そのものを牽引する存在ではありません。それでも評価が上がるとき、それは「成長への期待」ではなく、「通貨や制度への不信」が増幅しているサインだと考える方が自然です。
今回の背景にあるのは、米国の金融政策と政治の緊張関係です。FRBの独立性に対する疑念、利下げ継続観測、インフレの再燃リスク。こうした不確実性が積み重なると、世界の資金は理屈よりも安心感を求めて動きます。その受け皿として、結局いまだに金が選ばれている。これは人類が何千年も変わらない判断基準を持ち続けている証拠でもあります。
一方、日本円はどうでしょうか。日本は破綻していませんし、明日から円が紙切れになるわけでもありません。しかし「安全通貨」としての相対的地位は、確実に低下しています。金価格の高騰は、円安や物価上昇と同じく、円の購買力が静かに削られていることを可視化しているに過ぎません。金1グラムが2万6000円になったのではなく、「2万6000円で買えるもの」が減った、と言った方が本質に近いのです。
では、金を持っている人は勝者なのでしょうか。必ずしもそうとは言い切れません。金は「儲ける資産」というより、「失わないための資産」です。株式や事業のように価値を増殖させる力は弱い代わりに、制度や通貨が揺らぐ局面で、最後まで残りやすい。それゆえ、金の価格上昇を手放しで喜ぶというより、「こういう時代に入ったのだ」(日本という国家が明確に衰退フェーズに入ったのだ)と冷静に受け止める方が健全でしょう。
金価格が最高値を更新するニュースは、資産運用の成功談ではなく、世界経済からの警告だと私は感じています。静かに、しかし確実に、日本円という通貨の信頼は摩耗しています。ひところは日本企業がハワイやNYの不動産を買いあさってましたが、そんな時代は長続きしませんでした。ばかりか長期低迷に陥り、復活に兆しはまったく見えません。その現実を直視した上で、何を持ち、何を信じ、どこに依拠して生きるのか。金の輝きは、その問いを私たちに突きつけているのかもしれません。
今回の背景にあるのは、米国の金融政策と政治の緊張関係です。FRBの独立性に対する疑念、利下げ継続観測、インフレの再燃リスク。こうした不確実性が積み重なると、世界の資金は理屈よりも安心感を求めて動きます。その受け皿として、結局いまだに金が選ばれている。これは人類が何千年も変わらない判断基準を持ち続けている証拠でもあります。
一方、日本円はどうでしょうか。日本は破綻していませんし、明日から円が紙切れになるわけでもありません。しかし「安全通貨」としての相対的地位は、確実に低下しています。金価格の高騰は、円安や物価上昇と同じく、円の購買力が静かに削られていることを可視化しているに過ぎません。金1グラムが2万6000円になったのではなく、「2万6000円で買えるもの」が減った、と言った方が本質に近いのです。
では、金を持っている人は勝者なのでしょうか。必ずしもそうとは言い切れません。金は「儲ける資産」というより、「失わないための資産」です。株式や事業のように価値を増殖させる力は弱い代わりに、制度や通貨が揺らぐ局面で、最後まで残りやすい。それゆえ、金の価格上昇を手放しで喜ぶというより、「こういう時代に入ったのだ」(日本という国家が明確に衰退フェーズに入ったのだ)と冷静に受け止める方が健全でしょう。
金価格が最高値を更新するニュースは、資産運用の成功談ではなく、世界経済からの警告だと私は感じています。静かに、しかし確実に、日本円という通貨の信頼は摩耗しています。ひところは日本企業がハワイやNYの不動産を買いあさってましたが、そんな時代は長続きしませんでした。ばかりか長期低迷に陥り、復活に兆しはまったく見えません。その現実を直視した上で、何を持ち、何を信じ、どこに依拠して生きるのか。金の輝きは、その問いを私たちに突きつけているのかもしれません。
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