普段はそんなことしないのですが岡山と東京を夜行高速バスで移動したことがありました。一度乗ってみて安さに驚き、そして身体的負荷も実感しました。物好きなと言われても仕方ないのかもしれませんが、そのあと別のバス会社でもう一度移動してみました。その時の正直な感想を書いてみたいと思います。
まずはじめに、やはり安いということ。定価というものがないので、価格は常に変動しています。しかし安いタイミングを選べば片道5,000円です。新幹線ならその3倍くらいの価格ですからその安さはやはり魅力でしょう。浮いたお金を別のことに使えるというのは、やはりありがたいことです。缶ビールなら50本近く買えるかな?
それと、夜中の高速道路のサービスエリアに立ち寄るというのは結構神秘的な光景でもあるのです。夜中にたどり着いた宝塚北SAは、建物がそれこそ宝塚歌劇団の劇場を意識した雰囲気で、夜中にライトアップされているのです。そんな光景、一生に何度も見ることはないでしょう。
しかしその一方でやはりデメリットもあります。まず尻が痛くなる。長時間座っているのですからまあ当然ですよね。それで眠ろうとしても深い眠りになるはずもありません。これはきつい。いびきをかいて本気で眠っている人もいますが・・・。
そして座席のリクライニングの角度。これはバスによって違います。どの程度倒れるかは、睡眠の快適さをある程度左右します。しかしどれくらい角度を倒すことができるかなんて、事前にはわかりません。こればかりは使ってみて初めて分かることです。
さらに隣席ガチャ問題。隣に臭い人、体のでかい人、マナーの悪い人がいたりするとたちまち地獄になります。だから「隣席ブロック」といって自分の周囲の席をも予約し、乗車直前にキャンセルする人もいるとか。気持ちはわかります。私も隣に人がいないほうが嬉しいです。
とはいえ、そうした不快要素をすべて差し引いても、夜行バスには独特の「体験価値」があるとも感じました。目的地に着くまでの時間を、完全に移動として割り切れる点は大きいです。新幹線や飛行機だと、どうしても「移動のために一日が削られる」感覚がありますが、夜行バスなら寝ている(つもりの)あいだに東京へ近づいていきます。朝、見慣れた首都圏の風景が窓の外に広がったとき、「ああ、ちゃんと移動してきたんだな」という不思議な実感がありました。
もちろん、到着後は万全とは言えません。寝不足で頭がぼんやりしますし、身体も重い。午前中から重要な予定がある人には、正直おすすめしづらい移動手段です。ただ、到着日は軽く散歩する程度、あるいはチェックインまで時間をつぶすだけ、というようなスケジュールであれば話は別でしょう。むしろ「疲れているからこそ、無理をしない」という選択が自然にできる気もします。
結論として、夜行高速バスは万人向けではありません。しかし、安さと引き換えに多少の不快を受け入れられる人、あるいは一度は体験してみたいという好奇心がある人にとっては、決して悪くない選択肢です。少なくとも私は、「二度と乗らない」と言い切るほど嫌いにはなりませんでした。次に乗るかどうかは・・・また気が向いたら、でしょうか。(人にこの話をしたら「なんで新幹線使わないの!?」と仰天されました。)
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