連日東京の気温は35℃を超えています。これはもはや異次元のレベルです。私が子供だったころと比べると、想像もつかないような暑さになってしまいました。とにかく暑い。こんな季節に夏休みをもらって旅行に行ったとしても、観光名所を訪れて感慨にふける余裕などありません。昨年の夏、私は奈良公園を訪れましたが、実際にやっていたことといえば日陰から日陰へ飛び移るように歩くことばかり。堂々と観光を楽しむというより、「いかに太陽を避けるか」に神経を使っていたのが正直なところです。

このような酷暑のなかで最も厳しいのは、屋外での運動です。特にランニングは致命的で、朝や夕方に時間をずらしたとしても、もはや8月に走ることは現実的ではありません。体を鍛えるために走っているはずが、結果として熱中症のリスクを高め、体を壊してしまう。そんなことになっては本末転倒です。強い日差しとアスファルトの照り返し、まとわりつく湿気。呼吸を整えるどころか、走り始めてすぐに「これは命を削る行為だ」と感じてしまうのです。健康増進どころか、逆効果。私は昨夏、数度走ってみて、すぐに諦めざるを得ませんでした。

では、真夏に運動をするにはどうすればよいのか。答えははっきりしています。ランニングに固執せず、水泳に切り替えることです。プールであれば直射日光を浴びずに済み、冷たい水が体温の上昇を抑えてくれます。熱中症の心配がぐっと減るだけでなく、むしろ心地よさすら感じられる。水の中で全身を動かす運動は、ランニングよりも効率的に体力を養うことができます。腕、脚、体幹のすべてを同時に鍛えられるのは水泳ならではの利点ですし、膝や腰への負担が少ない点も大きな魅力です。

実際、プールに行って泳いでみると、その快適さに驚かされます。炎天下を走っているときは数分で汗が噴き出して息が上がるのに対し、水の中では汗を意識せずに長時間体を動かせる。しかも、水の抵抗は思いのほか強く、同じ時間運動しても消費カロリーは決して少なくありません。さらに、水に包まれることで精神的にもリラックスできる。泳ぎ終わったあとの爽快感は、夏のランニングとは比べ物にならないほど心地よいものです。

夏の運動習慣を「ランニングから水泳へ」切り替えることは、単なる気分転換にとどまりません。酷暑を前にして「運動を続けられるかどうか」という生死に直結する問題を解決する合理的な方法です。走ることをやめるのは、決して怠けではなく、環境に合わせた賢い適応なのです。むしろ真夏に無理して走るほうが、身体への負担も精神的なストレスも大きく、継続性を損なう要因になります。運動は続けることが大切です。そのためには、水泳のように「安全かつ快適に続けられる種目」を選ぶべきでしょう。

私は天気予報を見て、「真夏にランニングをしてはいけない」と確信しました(そして諦めが悪く5km走って目が回った)。今年は迷わずプールへ足を運んでいます(それでも未練がましくたまに走る私である)。水の中で体を動かすと、酷暑への苛立ちが薄れ、むしろ夏を楽しんでいる感覚すら芽生えてきます。これこそが、異常気象が常態化した時代にふさわしい運動習慣ではないでしょうか。もはや「夏にランニング」という発想は過去のもの。これからの8月は「水泳で健康を守る季節」と捉え直すべきだと、強く思うのです。