オランダとベルギーをめぐる旅の帰り道、飛行機のなかで(時間つぶしに)観た映画がありました。タイトルは「ミケランジェロ・プロジェクト」。ナチス・ドイツが第二次世界大戦中にヨーロッパ各地で略奪した数々の美術品を、連合軍の特別部隊が奪還しようとする実話をもとにした作品です。予備知識なしで観たのですが、これがとても印象深い映画でした。
映画のなかでは、ジャン・ファン・エイク作の「ゲントの祭壇画」や、ミケランジェロが彫った「聖母子像」といった、世界的な傑作が取り上げられていました。とくに驚いたのが、あのミケランジェロの彫刻がイタリアではなく、ベルギーのブリュージュにあるということ。なんて貴重なことなのだろうと思いました。
ところが、その「聖母子像」のあるブリュージュには、つい最近、自分が立ち寄っていたのです。旧市街の美しさ、運河の水辺、鐘楼からの眺め・・・。すべてが夢のような街でした。しかしその日はたまたま熱波が到来しており、気温は40度近く。とにかく暑くて、観光に対する気力が薄れてしまっていました。観光スポットをチェックするのも適当で、なんとなく教会を眺めては「きれいだなあ」で済ませてしまっていたのです。
あとで思い返せば、私が訪れていたのはまさに「聖母子像」が収められている聖母教会でした。あのときもう少し真剣に「地球の歩き方」でも読んでいれば、ミケランジェロの彫刻が目の前にあったことに気づけたはずなのです。旅行中はとにかく「今この瞬間」を楽しもうとするあまり、準備をおろそかにしてしまうことがあります。それが今回は裏目に出ました。
しかも、そのミケランジェロの作品には、ナチスによる略奪というドラマティックな歴史があったのです。映画によれば、ナチスはこの「聖母子像」もドイツへ持ち帰り、ヒトラーの美術館構想の一部に加えようとしていたとのこと。連合軍の文化財保護部隊、いわゆる「モニュメンツ・メン」がこの像の行方を追い、最終的にオーストリアの塩鉱の奥深くから発見・救出したというストーリーが描かれていました。
美術館や歴史的建造物で見る作品が、ただ「そこにある」わけではないこと。長い歴史のなかで、戦火をくぐり、守られ、救い出されてきたものだということ。そんな重みを知ったうえで見る芸術は、まったく別のものに感じられるはずです。
今回の旅では、そのことに気づくのが一歩遅すぎました。目の前にいたミケランジェロを、私は見逃してしまったのです。
帰り道の飛行機で、「ミケランジェロ・プロジェクト」を観たことで、自分の旅に小さな後悔が生まれました。でもそれと同時に、次にどこかを訪れるときには、もっと丁寧に、もっと真剣にその場所の歴史や背景を知っておきたい、そう思うようにもなりました。旅の楽しみ方は人それぞれですが、事前の知識が旅の体験を何倍にも深くしてくれることを、今回あらためて実感しました。
映画のなかでは、ジャン・ファン・エイク作の「ゲントの祭壇画」や、ミケランジェロが彫った「聖母子像」といった、世界的な傑作が取り上げられていました。とくに驚いたのが、あのミケランジェロの彫刻がイタリアではなく、ベルギーのブリュージュにあるということ。なんて貴重なことなのだろうと思いました。
ところが、その「聖母子像」のあるブリュージュには、つい最近、自分が立ち寄っていたのです。旧市街の美しさ、運河の水辺、鐘楼からの眺め・・・。すべてが夢のような街でした。しかしその日はたまたま熱波が到来しており、気温は40度近く。とにかく暑くて、観光に対する気力が薄れてしまっていました。観光スポットをチェックするのも適当で、なんとなく教会を眺めては「きれいだなあ」で済ませてしまっていたのです。
あとで思い返せば、私が訪れていたのはまさに「聖母子像」が収められている聖母教会でした。あのときもう少し真剣に「地球の歩き方」でも読んでいれば、ミケランジェロの彫刻が目の前にあったことに気づけたはずなのです。旅行中はとにかく「今この瞬間」を楽しもうとするあまり、準備をおろそかにしてしまうことがあります。それが今回は裏目に出ました。
しかも、そのミケランジェロの作品には、ナチスによる略奪というドラマティックな歴史があったのです。映画によれば、ナチスはこの「聖母子像」もドイツへ持ち帰り、ヒトラーの美術館構想の一部に加えようとしていたとのこと。連合軍の文化財保護部隊、いわゆる「モニュメンツ・メン」がこの像の行方を追い、最終的にオーストリアの塩鉱の奥深くから発見・救出したというストーリーが描かれていました。
美術館や歴史的建造物で見る作品が、ただ「そこにある」わけではないこと。長い歴史のなかで、戦火をくぐり、守られ、救い出されてきたものだということ。そんな重みを知ったうえで見る芸術は、まったく別のものに感じられるはずです。
今回の旅では、そのことに気づくのが一歩遅すぎました。目の前にいたミケランジェロを、私は見逃してしまったのです。
帰り道の飛行機で、「ミケランジェロ・プロジェクト」を観たことで、自分の旅に小さな後悔が生まれました。でもそれと同時に、次にどこかを訪れるときには、もっと丁寧に、もっと真剣にその場所の歴史や背景を知っておきたい、そう思うようにもなりました。旅の楽しみ方は人それぞれですが、事前の知識が旅の体験を何倍にも深くしてくれることを、今回あらためて実感しました。
次にブリュージュを訪れる日がもしあるのなら、今度は迷わず聖母教会へ向かい、ミケランジェロの「聖母子像」の前で、しっかりと目を見開いてその姿を心に刻みたいと思います。次に訪れるのは何年後のことなのか、まったくわかりませんが。
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