新国立劇場オペラパレスといえば、オペラやバレエのための劇場として日本有数の規模を誇ります。
この劇場ではこれまで『ニーベルングの指輪』や『トゥーランドット』といった楽劇・オペラをはじめとして『シンデレラ』『ライモンダ』『不思議の国のアリス』など多くのバレエもまた上演されています。
座席は1F~4Fまであります。一番見やすいのは当たり前ながら1Fで、あとは2Fの前方でしょう。
ちょっと気になるのが、3Fとか4Fになるとどうなのか? ということですね。まさか演者が豆粒にしか見えない天空席なんじゃないかと思うかもしれません。
結論から言うと、そうでもありません。2025年6月15日に、私はバレエ『不思議の国のアリス』を観てきました。そして、C席(4F)でしたが豆粒というほどでもなく、むしろ高みから見下ろすような視座になりかなり見やすいと思いました。私の視力? 矯正視力(コンタクトレンズ)で両目とも0.6・・・。悪いですね。なにしろ視力検査のときに「上、下」などと言っていたら、「これはひらがなの”へ”です」って医者にツッコまれるくらいですから。でも”へ”は下向きに文字が凹んでるから「下」は間違ってないと思うんですけど・・・。
そんな視力の悪い私であっても、わりとしっかりと見えました。そりゃ演者一人ひとりの表情までははっきりとはわかりませんが、輪郭がぼやけるというわけでもなく、もちろん豆粒でもなく、十分満足することができました。
というわけで新国立劇場オペラパレス4Fからの見やすさはどれくらいか? と不安になっている方へのお返事としては「そこまで悪くない。むしろコスパという観点からは、あえてC席のような安いチケットを購入して、その代わりに鑑賞回数を増やすという作戦もアリだと思う」になります。
それにしても、あの高さから舞台を見下ろすという体験は、ある意味では特別な視点を得たような感覚すらありました。舞台全体が一望できるので、群舞のフォーメーションや舞台装置の使い方、照明の演出がどんなふうに設計されているのかがよく分かるんです。たとえば今回の『不思議の国のアリス』では、アリスが落ちていく場面やチェシャ猫の出現シーンなど、ちょっとトリッキーな演出もあったのですが、4Fからだと全体像がわかって面白かったです。
もちろん、1F最前列のような「目の前で演者が踊っている!」という迫力とは違いますが、そのぶん舞台全体の構成美や美術の魅力をじっくり楽しめるのが4F席の良さでもあると思います。例えるなら、美術館で一枚の絵を至近距離で見るか、少し離れて全体の構図を見るかの違いみたいなもので、どちらも違った魅力があるんですね。
音響についても気になる方がいるかもしれませんが、これはさすが新国立劇場というべきで、上階でも十分にクリアに音が届きます。オーケストラの音は立体的で、バレエの動きとしっかりシンクロしているのが伝わってきました。個人的には、劇場の音響設計の良さを実感した瞬間でもありました。(『不思議の国のアリス』は打楽器がこれでもかというくらい導入されています。)
今後も私自身、「いい席で一回」より「そこそこ見やすい席で複数回」を選ぶかもしれません。作品によっては、視点を変えることで新たな発見があることもありますし、バレエやオペラは繰り返し見ることで魅力が深まるものですからね。
もちろん、1F最前列のような「目の前で演者が踊っている!」という迫力とは違いますが、そのぶん舞台全体の構成美や美術の魅力をじっくり楽しめるのが4F席の良さでもあると思います。例えるなら、美術館で一枚の絵を至近距離で見るか、少し離れて全体の構図を見るかの違いみたいなもので、どちらも違った魅力があるんですね。
音響についても気になる方がいるかもしれませんが、これはさすが新国立劇場というべきで、上階でも十分にクリアに音が届きます。オーケストラの音は立体的で、バレエの動きとしっかりシンクロしているのが伝わってきました。個人的には、劇場の音響設計の良さを実感した瞬間でもありました。(『不思議の国のアリス』は打楽器がこれでもかというくらい導入されています。)
今後も私自身、「いい席で一回」より「そこそこ見やすい席で複数回」を選ぶかもしれません。作品によっては、視点を変えることで新たな発見があることもありますし、バレエやオペラは繰り返し見ることで魅力が深まるものですからね。
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