ヴァイオリンの音はうるさいです。集合住宅で練習されたらたまったものではありません。かくいう私もヴァイオリンを弾いていますが、やはり集合住宅に住んでいるので思いっきり弾くことができません。仕方ないのでミュートを使っています。これで音量が3分の1くらいに抑えられるというすぐれもの。数百円で入手できるわりにはものすごく役に立っています。私が持っている様々な持ち物のうち、もっともコストパフォマンスに優れていると言っても過言ではないですね。
しかしヴァイオリンの音というのは一体何デシベルなのでしょうか。音の大きさを測定できるウェブサイトが複数ありますから、タブレット端末をヴァイオリンの近くに設置して測定してみました。
すると、ミュートをしている状態で30~40デシベル。ふむふむ。
じゃあミュートを使わない状態だといくつなの?
・・・40デシベル。
嘘だろ? 私は目を疑いました。でも何度測定しても50デシベルを超えません。一体どうなってるんだ?
これはどうにも腑に落ちません。だって、体感的には明らかにミュートなしのヴァイオリンの方がずっと大きな音を出しているように感じるのです。なのに、測定結果ではわずか数デシベルの差しかない。いったいどういうことなのでしょうか。
原因を考えてみました。まず一つ目に思い当たったのは、タブレット端末のマイク性能です。そもそもタブレットやスマートフォンに内蔵されているマイクは、精密な騒音計の代わりになるほどの精度は期待できません。特に、一定以上の音圧になると正確に拾えなかったり、逆に周囲のノイズと混同してしまうこともあるかもしれません。アプリ自体も、あくまで「目安」として作られているものが多く、環境音などの補正が自動的にかかる設計になっている場合もあります。
もう一つ考えられるのは、測定時の距離や位置です。私がタブレットを置いたのは譜面台のすぐ脇、つまり自分の耳よりは少し遠い位置です。音というのは距離に応じて減衰しますし、また方向性もあります。ヴァイオリンは指板のあたりから響く音と、f字孔やボディ全体から出る音が複雑に混ざって放たれますから、マイクの置き方によっては正確な音量が拾えないというのも納得できます。
さらには「体感音量」と「実測音量」の違いも大きいと思います。ミュートを付けて弾くと、弓の感触も響きも違い、「抑え込まれている」感じがします。一方、ミュートなしでは弦の振動がダイレクトに伝わってきて、自分自身の体に響く。これが音の「大きさ」を実際以上に強く感じさせているのではないでしょうか。音の成分、特に中高音の倍音の多さが、耳に刺さるような印象を生んでいる可能性もあります。
と、ここまで書いて思ったのですが、結局「どれだけうるさく感じるか」はデシベルだけでは語れないということですね。人間の耳は、単なる音量だけでなく、周波数、響き、持続時間、音の立ち上がりといった様々な要素をもとに「うるさい」「静かだ」と判断しています。だから、数値上はわずかな差しかなくても、実際に感じる印象は大きく異なる。
それでもやはり、集合住宅で生音をガンガン鳴らすのは気が引けます。測定値が低かろうが、隣人の迷惑になる可能性は否めませんし、「うるさい」と感じるのは受け手の主観です。だからこそ、ミュートは私のような環境で練習する者にとって強い味方なのです。
願わくば、いつか防音室付きの一戸建てに引っ越して、思いっきりヴァイオリンを鳴らせる日が来ますように。それまでは、安価で頼れるミュートと共に、こっそりと、しかし丁寧に練習を重ねていきたいと思います。ちなみに私のヴァイオリンの先生はマンションで練習して警察を呼ばれてました。ってか普通そこまで練習するか・・・?
原因を考えてみました。まず一つ目に思い当たったのは、タブレット端末のマイク性能です。そもそもタブレットやスマートフォンに内蔵されているマイクは、精密な騒音計の代わりになるほどの精度は期待できません。特に、一定以上の音圧になると正確に拾えなかったり、逆に周囲のノイズと混同してしまうこともあるかもしれません。アプリ自体も、あくまで「目安」として作られているものが多く、環境音などの補正が自動的にかかる設計になっている場合もあります。
もう一つ考えられるのは、測定時の距離や位置です。私がタブレットを置いたのは譜面台のすぐ脇、つまり自分の耳よりは少し遠い位置です。音というのは距離に応じて減衰しますし、また方向性もあります。ヴァイオリンは指板のあたりから響く音と、f字孔やボディ全体から出る音が複雑に混ざって放たれますから、マイクの置き方によっては正確な音量が拾えないというのも納得できます。
さらには「体感音量」と「実測音量」の違いも大きいと思います。ミュートを付けて弾くと、弓の感触も響きも違い、「抑え込まれている」感じがします。一方、ミュートなしでは弦の振動がダイレクトに伝わってきて、自分自身の体に響く。これが音の「大きさ」を実際以上に強く感じさせているのではないでしょうか。音の成分、特に中高音の倍音の多さが、耳に刺さるような印象を生んでいる可能性もあります。
と、ここまで書いて思ったのですが、結局「どれだけうるさく感じるか」はデシベルだけでは語れないということですね。人間の耳は、単なる音量だけでなく、周波数、響き、持続時間、音の立ち上がりといった様々な要素をもとに「うるさい」「静かだ」と判断しています。だから、数値上はわずかな差しかなくても、実際に感じる印象は大きく異なる。
それでもやはり、集合住宅で生音をガンガン鳴らすのは気が引けます。測定値が低かろうが、隣人の迷惑になる可能性は否めませんし、「うるさい」と感じるのは受け手の主観です。だからこそ、ミュートは私のような環境で練習する者にとって強い味方なのです。
願わくば、いつか防音室付きの一戸建てに引っ越して、思いっきりヴァイオリンを鳴らせる日が来ますように。それまでは、安価で頼れるミュートと共に、こっそりと、しかし丁寧に練習を重ねていきたいと思います。ちなみに私のヴァイオリンの先生はマンションで練習して警察を呼ばれてました。ってか普通そこまで練習するか・・・?
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