転職活動をしていて、企業研究をどこまで行ったらいいのか? が気になりませんか? とくに大手企業ともなるとHPを読み込むだけでも大変ですし、それ以外でも雑誌や新聞記事をチェックしなければなりません。でもそんなことやってたら無限に調べる羽目になって、終わりが見えません。だるいですね。

とある転職エージェントの方に相談してみたら、次のような回答が返ってきました。

「私は〇〇の仕事に自信があります。御社の場合は、・・・であり、・・・だから私のやりたい仕事に携われると考えております。っていう言い方だと、ありきたりでみんなそういう答え方をして差別化できません。どんぐりの背比べ状態で、競争相手と同じ位置にいることになります。

たとえば会社の製品、サービス利用者は何人いて、それがどういうふうに世の中の役に立っているのか。それがないと、なぜその会社の採用試験を受けに来たのかという理由が欠落してしまう。たとえばその会社の国内シェアや世界シェア、どこに強みがあるのか。競合になりうるところの比較。いつの時代から始まってどうやって成長したのか。業界の成長性や歴史を調べる。その結果、どんな価値を生み出してどのように社会に貢献できているのか。

このようなことを調べて説明しないと、「自分のやりたい仕事ができるから」だけになってしまい、
応募者はそれで得をするかもしれませんが、会社としてはその人を採用するメリットが見えてこないので見送りになりがち。

これらを調べたうえで、「今回転職活動にあたり、御社を調べたところ・・・のような価値を提供しており、・・・で共感できます」と言えるようになることが前提。これを企業研究と言う。多少長くなったとしても、中身のある話ならちゃんと耳を傾けてもらえる。

また、社長メッセージなどを引用するのもよい。最終面接は役員クラスが登場するが、そこまで来ると実務レベルの経験などはそれ以前の段階で合格しているので、あまり質問されない。むしろ理念など、ソフト面にも触れるのがよい」。

だいたいそんな感じだそうです。

たしかに、ここまで調べて話を組み立てるのは手間がかかりますし、転職活動をしながら日々の業務をこなす人にとっては、かなりの負担です。ただ、だからこそ差がつくとも言えます。応募者の多くは「やりたいこと」「スキルが活かせること」だけに注目しがちで、企業の立場や業界の現実にまで踏み込んで話せる人は意外と少ない。そうした中で、「この人はうちのことをここまで調べてくれたのか」と思ってもらえると、それだけで印象が大きく変わる可能性があります。

たとえば、その企業の決算資料をざっと見るだけでも、「どこに投資しているのか」「今後どの分野を強化しようとしているのか」が見えてきます。IR情報や統合報告書も意外とわかりやすく書かれているものが多く、読み物として面白い発見があることもあります。とはいえ、全部を読む必要はありません。自分が志望する職種や関心のある分野に関わる情報を中心にピックアップして、「なぜ自分がその会社で働きたいのか」「自分がその会社にとってどう役立つのか」を、自分の言葉で語れるようにしておけば十分です。

結局のところ、企業研究は“量”より“質”。どれだけ読んだかよりも、どう考えたかが問われるのでしょうね。