ウェッジウッドといえは磁器製品で有名で、日本でもデパートなどで販売されています。私も結婚の贈り物として人にプレゼントしたことがありましたが非常に喜ばれました。創始者はジョサイア・ウェッジウッド(1730-1795)。
彼は工房を設立してまもなく、フォルムをシンプルにするスタイルを採用してギリシャ・ローマの古典様式を受け継ぐデザインにしました。するとこれが大ヒット。彼の製品はたちまち人気を博するようになりました。

そのウェッジウッド製品はブルーの背景が特徴。水色のジャスパーは後に「ウェッジウッド・ブルー」と呼ばれるようになります。

この「ウェッジウッド・ブルー」は、まさにウェッジウッドブランドを象徴する色と言っても過言ではありません。ほかの色も存在しますが、このブルーは最もよく知られており、ギリシャ神話をモチーフにした浮き彫りや、植物や花のモチーフと絶妙に調和します。その優雅な色調は、実用的な器でありながら芸術作品としての価値をもたらし、長い年月を経てもなお世界中の人々に愛され続けています。

さらに、この青色には心理的な効果もあるとされています。青は一般に、冷静さや安心感を与える色とされており、食器や装飾品として使用することで、日常の中に落ち着きと美しさをもたらしてくれます。ウェッジウッド製品を贈り物として選ぶ人が多いのも、この色が持つ穏やかで上品な印象に理由があるのかもしれません。

現代においても、ウェッジウッドはその伝統を守りながら新たなデザインに挑戦し続けていますが、「ウェッジウッド・ブルー」は時代を超えて変わらぬ魅力を放ち続けています。クラシカルでありながら現代の生活にもなじむこの青色は、まさにウェッジウッドの精神そのものを象徴しているのです。

特に青が効果的に用いられている製品といえばやはりジャスパーウェアでしょう。ウェッジウッドの代名詞とも言えるシリーズで、「ウェッジウッド・ブルー」が最もよく使われています。マットな質感の淡いブルー地に、白いレリーフでギリシャ神話の神々や植物模様などが描かれています。プレートや壁掛け装飾が有名ですね。私は10年以上前のことですが、越谷レイクタウンのアウトレットでイヤープレートを購入しました。いい買い物でした。

あとはクイーンズウェアでしょうか。こちらはクリーム色の陶器で知られていますが、限定モデルや記念版の中には、青をアクセントカラーとして用いたものもあります。特に王室関連の記念プレートなどでは、王室の象徴色としてブルーが使われることもあります。

ちなみにこのブログで何度か作曲家ヴォーン・ウィリアムズのことに触れました。ヴォーン・ウィリアムズの母方の家系はじつはウェッジウッド。父方は進化論で有名なダーウィンそのおかげで彼は大変裕福で、無理に働かなくても生活が成り立っていた(うらやましい)のですが、あえて第一次世界大戦に志願しています。これってノブリス・オブリージュ?


参考文献