ヴァイオリンのE弦についているビニールチューブ。私はこれまで「これがないと駒に食い込むんだろうな、これがあるおかげで駒が弦の圧力から守られているんだろうな。目立たないけど大事な仕事をしているんだろうな。ああありがたいありがたい」などと思って長年ヴァイオリンを弾き続けていました。
誤解でした。
ある時、ヴァイオリンの駒が歪んでいることに気づいて職人さんのところに持ち込みました。ひょっとすると駒自体を交換しなきゃいけないかもしれない・・・。そんな不吉な予感に囚われつつ楽器を見せると「ああ、結構歪んでますね、でもこれならすぐ直ります」とパキパキと駒を触っているうちに問題解決しました。実にありがたい。というわけで無料で調整が終わってしまったのですが、職人さんは私の駒を見て一言、「このE弦のビニールチューブ、何のためにあるか分かりますか?」
私は「そうですね、弦が駒に食い込まないようにするためですよね」。
「その通りです。でもこの駒には最初から弦の食い込みを防止する部品が装着されていますね」。
よく見るとそうでした。この駒には透明なプラスチック? またはビニールのような防具めいたものが最初から装着されていました。となるとE弦のビニールチューブは不要なのだそうです。
「これが付いているとバランスが崩れ、A弦との高低差が出てしまい弾きづらくなる」とのこと。
そんなの知らなかった。何年も同じ先生についてヴァイオリンを教わっていますが、そんなことまったく教えてくれませんでした。一体いままでどれだけ知らないうちに不利な演奏環境を自ら作り出していたのか・・・。
誤解でした。
ある時、ヴァイオリンの駒が歪んでいることに気づいて職人さんのところに持ち込みました。ひょっとすると駒自体を交換しなきゃいけないかもしれない・・・。そんな不吉な予感に囚われつつ楽器を見せると「ああ、結構歪んでますね、でもこれならすぐ直ります」とパキパキと駒を触っているうちに問題解決しました。実にありがたい。というわけで無料で調整が終わってしまったのですが、職人さんは私の駒を見て一言、「このE弦のビニールチューブ、何のためにあるか分かりますか?」
私は「そうですね、弦が駒に食い込まないようにするためですよね」。
「その通りです。でもこの駒には最初から弦の食い込みを防止する部品が装着されていますね」。
よく見るとそうでした。この駒には透明なプラスチック? またはビニールのような防具めいたものが最初から装着されていました。となるとE弦のビニールチューブは不要なのだそうです。
「これが付いているとバランスが崩れ、A弦との高低差が出てしまい弾きづらくなる」とのこと。
そんなの知らなかった。何年も同じ先生についてヴァイオリンを教わっていますが、そんなことまったく教えてくれませんでした。一体いままでどれだけ知らないうちに不利な演奏環境を自ら作り出していたのか・・・。
それ以来、私は少しずつ、自分の楽器やその周辺の細かな部分にもっと注意を払うようになりました。これまで「先生がそうしているから」「ネットで調べてみたらそうしているから」と無意識に受け入れていたことの中にも、実は自分の楽器や演奏にとって最適ではない選択があったのかもしれないと、疑いの目を向けるようになってしまったです(不幸かも)。
たとえば弦の張り替え一つとっても、以前は「古くなったら全部取り替えるか、弦たけーな」くらいの認識しかなく、何ヶ月も放置して音が死んでからようやく重い腰を上げるという有様でした。しかしこの一件をきっかけに、弦の劣化具合や音色の変化に敏感になり、張り替えのタイミングや張り方にも少しずつ工夫をするようになりました。
また、駒や魂柱、ペグの調整といった「よくわからんから専門家に任せきりにしたるわ金で解決したるわ」な部分にも、やっぱり自分で最低限の知識くらいは持っていたほうがいいと感じるようになりました。もちろん、自分で手を加えるわけではありませんが、信頼できる職人さんと対話するうえで、「何がどうなっているのか」を理解していると、楽器のメンテナンスにも積極的に関われるようになります。
それにしても、E線チューブのような、ほんの数ミリの部品が演奏感覚に大きな影響を与えていたとはまったく知りませんでした。友だちがいないから誰も教えてくれない。少し浮いてしまった弦、それが知らず知らずのうちに楽器にも自分にもストレスになっていたことに思い至ると、「ちゃんと知ること」の大切さを痛感します。
ヴァイオリンの世界は奥が深くて、演奏技術はもちろん、楽器に対する理解も同じくらい重要なんだなと、改めて感じました。辛い・・・。
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