近年、YouTubeを見ていて「広告が多すぎる」と感じる人は少なくないでしょう。動画を再生しようとすれば、冒頭にスキップ不可の広告が現れます。正直、イライラさせられます。数分後には再び広告、30分くらいの動画では5回、6回と中断されることも当たり前です。まさにその30分くらいの「乃木坂工事中」を見ていると5回くらい楽天トラベルとかリクルートエージェントの広告が出てきました。邪魔です。




かつてのYouTubeにはなかったこの広告うじゃうじゃ現象は、なぜここまで進行してしまったのでしょうか。私は、その背景には「市場独占」という構造的な問題があると見ています。

YouTubeは、世界最大の動画サイトとしての地位をすっかり確立しています。競合とされるサービスは一応ニコニコ動画などたくさんありますが、その規模と影響力でYouTubeに匹敵するものはほとんど存在しません。TikTokも人気ですが、動画のスタイルや目的が異なるため、YouTubeの代わりにはなっていません。

このように、一企業が特定の市場をほぼ独占している状況では、私達の選択肢は事実上消滅します。サービスが多少使いにくくなっても、「結局ここでしか見られない」「ここが一番便利」といった理由で結局そこに戻る羽目になります。これがいわゆる「市場独占」の大きな弊害です。

普通なら企業は、コンビニとか自動車製造販売のような競争が激しい市場ではユーザーの利便性や満足度を意識せざるを得ません。しかし、競争相手がいなくなれば話は別です。多少不便になろうと、広告が増えようと、ユーザーは離れていかないと分かっていれば、自分たちがとにかく儲けることを優先するようになります。その最たる例が、現在のYouTubeにおける広告だらけ現象と言えるわけですね。

もちろん、YouTubeが広告によって収益を上げるのは当然のことだ。彼らも民間企業ですし、無料で膨大なコンテンツを提供している以上、どこかで収益を得なければサービスは維持不可能。しかし、問題はその「程度」なのです。以前に比べて明らかに過剰となった広告は、もはや不愉快といえるレベルに達しています。

さらに最近では、広告ブロッカーを使っているユーザーに対して動画視聴を制限する措置まで取られるようになりました。これは、もはや「広告を見ること」が利用の前提条件となっているということであり、ユーザーの自由は著しく制限されています。これで私はブラウザをFirefox、Chrome、Vivaldiと乗り換えて、さらにはBraveへ移りました。次々と乗艦を移してそれでも諦めない、『銀英伝』のミュラー提督になった気分です。

もしYouTubeに対抗できるサービスがあれば、ユーザーはより良い体験を求めて移行します。が、現状、そのような選択肢は存在せず、多くの人が不満を抱えつつも使い続けるしかありません。これが、独占のもたらす最大の問題、つまり「選べない」という不自由です。

市場競争が健全に機能していれば、企業はユーザーに対してよりよいサービスを提供するインセンティブを持ち続けます。でも独占が進めば進むほど、そのバランスは崩れ、最終的に被害を被るのは我々なのです。今のYouTubeがその典型例であるとすれば、私たちはもっと「選べることが大事なんだ」ということに留意すべきでしょう。