本というと夏目漱石とか太宰治とかを想像します。まあ要するに文庫本ですね。べつにハードカバーであっても構いませんし、新書とか図鑑でもOKです。ああいうのを本というわけです。
そういうのは200ページとか300ページあったり、ものによっては500ページを超えることもあります。では50ページとか30ページの本というのはあるのか?
そこまでしっかりと考えたことがなかったのですが、なんとユネスコが本を定義していました。それによると、「表紙はページ数に入れず、本文が少なくとも49ページ以上から成る、印刷された非定期刊行物」が本だそうです。5ページ以上48ページ以下の出版物は小冊子(英文ではpamphlet)と定義されています。それよりページ数が少ない場合は、つまり4ページ以下のものはただの折られた紙という扱いになります。
そうだったのか。試しに手元にある「とってもやさしいはじめての仏教」という、宇治の平等院で無料配布されていた本(?)を手にとってページ数を調べてみると、表紙から裏表紙までを含めて48ページ。見事に「小冊子」ギリギリのページ数でした。察するに最初からそういうページ数で収まるように計画して編集したんでしょうね。
このように「本」というものの定義を知ると、単に無駄知識でしかないものの、意外と身近にあるものが「本」ではなかったと気付かされます。例えば、先ほど触れたような観光地でよく見かけるパンフレットや、小さな冊子形式のガイドブック。これらは何となく「本」のように思えますが、ページ数が48ページ以下ならユネスコの基準では「小冊子」という扱いになります。本じゃないんですね。
さて、さらに無駄知識を。実際に本のページ数にまつわる面白い話をいくつか列挙してみたいと思います。
まず、日本の文庫本のページ数について。文庫本の多くは、おおよそ200ページから300ページ程度のものが主流ですが、実はこれには物理的な理由があります。紙を折って製本する際、一定の束(折丁)単位でまとめる必要があり、そのためページ数が偶数で、特定の単位ごとに区切られることが多いのです。また、印刷コストや読者の読みやすさも考慮されており、長すぎず短すぎないこの範囲が好まれるのです。たしかに130ページとか150ページとかのの文庫本ってあまり見かけませんね。あまりコスパがいい感じもしません。
一方で、世界の最も厚い本についても触れてみましょう。ギネス世界記録に認定された最も厚い本は、アガサ・クリスティの全作品を収めたもので、なんと4032ページにも及びます。この本はあまりに分厚いため、普通に読むのは難しく、むしろコレクターズアイテムのような扱いになっています。っていうか本それ自体の重みで読んでいくうちに変に背表紙が割れそうな気がします(海外の本にありがち)。
逆に最も薄い本はどうでしょうか? 極端な例として、1ページしかない本も存在します(もはや折られた紙でしかない)。例えば、美術作品として作られた「世界で最も短い本」には、たった数文字しか印刷されていないものもあります。こうした本は実用性よりも、コンセプトやアートとしての価値が重視されているわけです。
ところで、電子書籍の時代になったことで、「本」の概念はますます曖昧になっています。電子書籍には紙のページという概念がないため、何ページ以上が「本」といえるのか、明確な線引きは難しくなりました。そもそも電子書籍は読者の都合で活字の大きさを変更できるわけですから、ページというカウントは馴染みません。そういう状況のもと、たとえば短編小説を電子書籍で販売する場合、数十ページしかないことも珍しくありません。こうした事情から、電子書籍の世界では「ページ数」よりも「内容の充実度」が本としての価値を決める要素になりつつあるようです。
このように、本の定義を知るだけでも、身の回りの書籍に対する見方が変わってきます。「本」とは何か、その基準があることで、逆に「本ではないもの」についても考えさせられるのです。まあ、いちいちそんなことを考えなくても暮らしていけますけどね・・・。
さて、さらに無駄知識を。実際に本のページ数にまつわる面白い話をいくつか列挙してみたいと思います。
まず、日本の文庫本のページ数について。文庫本の多くは、おおよそ200ページから300ページ程度のものが主流ですが、実はこれには物理的な理由があります。紙を折って製本する際、一定の束(折丁)単位でまとめる必要があり、そのためページ数が偶数で、特定の単位ごとに区切られることが多いのです。また、印刷コストや読者の読みやすさも考慮されており、長すぎず短すぎないこの範囲が好まれるのです。たしかに130ページとか150ページとかのの文庫本ってあまり見かけませんね。あまりコスパがいい感じもしません。
一方で、世界の最も厚い本についても触れてみましょう。ギネス世界記録に認定された最も厚い本は、アガサ・クリスティの全作品を収めたもので、なんと4032ページにも及びます。この本はあまりに分厚いため、普通に読むのは難しく、むしろコレクターズアイテムのような扱いになっています。っていうか本それ自体の重みで読んでいくうちに変に背表紙が割れそうな気がします(海外の本にありがち)。
逆に最も薄い本はどうでしょうか? 極端な例として、1ページしかない本も存在します(もはや折られた紙でしかない)。例えば、美術作品として作られた「世界で最も短い本」には、たった数文字しか印刷されていないものもあります。こうした本は実用性よりも、コンセプトやアートとしての価値が重視されているわけです。
ところで、電子書籍の時代になったことで、「本」の概念はますます曖昧になっています。電子書籍には紙のページという概念がないため、何ページ以上が「本」といえるのか、明確な線引きは難しくなりました。そもそも電子書籍は読者の都合で活字の大きさを変更できるわけですから、ページというカウントは馴染みません。そういう状況のもと、たとえば短編小説を電子書籍で販売する場合、数十ページしかないことも珍しくありません。こうした事情から、電子書籍の世界では「ページ数」よりも「内容の充実度」が本としての価値を決める要素になりつつあるようです。
このように、本の定義を知るだけでも、身の回りの書籍に対する見方が変わってきます。「本」とは何か、その基準があることで、逆に「本ではないもの」についても考えさせられるのです。まあ、いちいちそんなことを考えなくても暮らしていけますけどね・・・。
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