世の中には「多動力」を発揮して動きまくれ、それで成功しろという主張をする人がいます。
外向型の性格の人にとってはそれでいいのでしょう。でも内向型の性格の人にとっては当てはまらない話だと思います。人は心の中にひとつの人格しか宿すことができませんから、外向型の人は内向型の気持ちがわからないし、逆もまた真なりでそれはそれでいいのだと思います。
重要なのは、そうか多動力が大事なんだと思って内向型の性格の人までそれを真似してしまうこと。これではあっという間に疲弊してしまうばかりか、対して期待した結果も獲得できないので自己肯定感も下がってしまいます。
内向型の人の特徴は、じっくり考える傾向があること。多動力を活かして、というのはとにかく動きまくるわけですから、じっくり考えるということと真逆のベクトルだということがわかります。人と関わるだけでエネルギーを消耗するので、いろいろ考える傾向というのはそういう状況にならないための防衛策なのかもしれません。しかしこのじっくり考えるという特徴こそ活かすべきツールであり、広さ、手数の多さではなく深さ、集中力こそが武器と見るべきでしょう。
しかも内向型の人というのはえてして成果を挙げるまでじっくりとなにかに取り組むということに向いているはずです。アインシュタインも内向型の性格だったようですが、「私はそんなに頭が良いわけではなく、問題に対して普通の人より長く取り組めるだけである」という言葉を残しています。その彼は生涯で300本を超える論文を残しています。大変な業績です。
内向型の人がその特性を活かしながら成果を上げるにはどうすればよいでしょうか。ここでは、いくつかの方法を思いつくままに記述してみます。
1.深い集中を可能にする環境を作ること。
自分の集中力を最大限発揮できる静かな環境を整えることが大切です。例えば、自宅での作業スペースを整理整頓し、スマートフォンの通知をオフにするだけでも効果的です。私も自宅で何かをするときは例えばハイドンの音楽を再生しています。(モーツァルトやバッハよりもながら再生に向いていると思ます。)
2. なるべく人と会わない
人と会うのって、そんなに面白いですか。私はつまんないと思います。
飲み会などに誘われても「ノー」と言う勇気を持つことも、自分を守るために必要でしょう。
3. 時間がかかることをやってみる
私はヴァイオリン演奏だったりマラソンだったりと一朝一夕にできないことをやっています。
これがどうやら自分の性格に向いていたらしいです。何年も継続しています。やめる気になりません。ビバ内向型。内向型の人ってそんなもんなんでしょう。このように長期的な取り組みのために黙々と続けることが効果的だと思います。
「多動力」が成功の鍵とされる場合であっても、万人にそれが有効とは限らないでしょう。内向型の人が自分の特性を理解し、それを活かすことで十分に成果を上げることができると思います。他人の成功法則はあくまでも「そういうやり方で成功した人がいる」のであって「そうすれば絶対成功する」のではありません。自分にとって最適な道を見つけることで、自分らしい生き方を追求するのがよいでしょう。
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