ワインをよく飲む人は、ボルドーとかブルゴーニュとか、地域によっても、またカベルネ・ソーヴィニヨンとかピノ・ノワールのようなブドウ品種によっても味わいが変わるということは熟知しているはずです。一方で、ワイングラスもまた良いものを使うとやはり味わいや香りが変わってくる。これもまた本当です。
私はこれまでアマゾンで買ってきた適当なワイングラスを数年にわたり使っていました。ところが2025年年末にJALのショッピングサイトでワインセット+ワイングラス2脚の商品を購入して驚きました。このワイングラスというがビジネスクラスやJALサクララウンジで使われているリーデルのもの。
リーデルといえば1756年に創業したオーストリアの老舗ガラスメーカー。11代目となるゲオルグ・リーデル氏が、ワインの味わいを最大限に引き出すグラスの開発に注力し、ワイングラスの革命を起こしました。同社の哲学は、「形が機能を追求する」というシンプルな理念に基づいています。これは、グラスの形状がワインのアロマ、フレーバー、バランスに与える影響を徹底的に研究し、それに最適化されたデザインを追求する姿勢を表しています。
どうやら社内の研究チームが、ワインの香りや味覚がどのようにグラスの形状によって変化するかを細かく分析しているようです。例えば、ボウルの広がり具合、ステムの長さとか・・・。
個人的には「そこまでやるか? アホじゃないのか??」と思うのですが(失礼)、とにかくすべてを計算し尽くしたうえで、このワインにはこのグラス、と何パターンも似たような製品を作り出しています。例えば、赤ワイン用のグラスは、果実味やタンニンをより豊かに感じられるようにボウルが大きめに設計されていますし、白ワイン用のグラスは、酸味やフレッシュさを強調するために、やや小ぶりな形状にデザインされています。さらに、シャンパンやスパークリングワイン用には、泡を美しく持続させるフルート型のグラスが用意されています。
要するにこのゲオルグさんという人がほんとにワインが好きで、美味しさのためにグラスの形状にこだわり抜いたわけですね。
だからなのか、リーデルのワイングラスは、世界中のソムリエやワインメーカーからも高い評価を受けており、テイスティングのイベントといえばリーデルのグラスが定番になっているようです。
そのリーデルグラスが自宅に届きました。JALのショッピングサイトだけあって、JALのロゴがグラスに描かれています。「ワイもとうとうビジネスクラスに乗るようになったか・・・。サクララウンジ使うようになったか・・・」と勘違いも甚だしい優越感に浸りつつワインを飲むと・・・、やはり違います。香りの引き立ち具合が。ざっくり言うと、1~2割は美味しさが増していると思います。これはすごいや。
このワイングラス、決して安い買い物ではありませんが、こういうのはいわば「初期投資」。ここでケチると知らぬうちに損をすることになります。ワイン好きならリーデルのグラスを揃えておくと絶対に得をするはずです。
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