世の中には外向型の性格の人と、内向型の性格の人がいます。そして、学校とか会社とかでは外向型の性格の人が得をするようになっています。世の中でも外向型だと明るい、内向型だと暗いというステレオタイプなものの見方が広まっているため、子どもの教育でも外向型に向かわせるような方法が重視されがちです。

教育以外でも、「多動力を活かして動きまくれ」といったようなビジネス書が人気になったりと、やはり社会人にとっても外向型を目指すような考え方が注目を集めています。

実際に、政治家とか起業家とか、社会的に成功した人というのは外向的な性格の人が多いようです。でもこれはどうやら単なる生存者バイアスのようです。生存者バイアスとは、成功した事例のみを基準に判断し、失敗した事例を考慮しない認識や思考の偏りのことです。

橘玲さんの『スピリチュアルズ 「わたし」の謎』という本によると、政治家とか起業家などは大衆の注目を一身に浴びるような強烈な刺激をもたらす反面、大きなリスクにさらされたり激しい緊張に襲われたりするのであって、そういう選択肢をあえて選ぶということはそれだけ外向的な性格なわけであって、その中から一定の割合で成功者が出てくるのは当たり前だ、と指摘しています。

そして内向型の性格であればそういうリスクを避ける傾向にありますから、そういう職業を選択して有名人になることも少なくなります。この非対称性のせいで、「成功するためには、外向的な性格でなければならない」という思い込みが出来上がってしまうわけですね。

でも「成功するためには、外向的な性格でなければならない」というのも成功者にだけ注目すればそうかもしれませんが、その影にはリスクを取って破滅した人だっているはずです。そっちのほうがずっと多いはずです。誰もが大統領とか起業家になれるわけではありませんから・・・。

そうした成功者ではなく、「普通の人」について考えると、内向型の性格のほうがおしなべて有利ではないかと考えられる用になっているようです。アメリカの事例では、年収を比較してみると内向型に分類されるアジア系が10万ドル。全米平均はもちろん、外向型が多いとされる白人の7万5千ドルを3割以上も上回る結果となっています。確かに弁護士や研究者、エンジニア、医者、カウンセラーなどは内向型の性格のほうがうまくいくでしょうし、こうした専門職は高収入ですから。

こうした事例を見ていくと、「外向的だと成功する」のは単なる生存者バイアスだったのであって、内向型だから成功しない、というわけではなさそうです。

つまり、外向型と内向型のどちらが「成功」に向いているかを一概に語るのは無意味であり、自分の性格特性に合った道を選ぶことが重要だといえます。内向型の人は集中力や分析力を活かして、専門性を磨いたり、計画的にリスクを管理することで力を発揮できます。一方で、外向型の人は社交性や行動力を活かして、多様な人々とのつながりを築き、チャンスを広げていくことが得意です(ワイには無理)。

最も重要なのは、自分自身の性格を正しく理解し、それに合った目標や環境を選ぶことです。「外向型にならなければ成功できない」といった固定観念にとらわれるのではなく、どちらの性格にも価値があることを認め、自己の強みを最大限に活かす道を探るべきでしょう。それが、本当の意味での「成功」への近道ではないでしょうか。それにしても「内向型」について論じている本を見かけるようになったのはごく最近のこと。なぜ今までそういうことを論じる本が少なかったのか、謎すぎます。