『ラブライブ! スーパスター!! 』も第3期の11話つまりクライマックスを迎えることとなりました。
あらすじはこうです。
入学手続きを済ませる為、ひとりでウィーン国立音楽学校を訪れることになったかのん。可可・千砂都・すみれ・恋もまた卒業後の進路を決め、それぞれの未来へと歩み始める。一方できな子・四季・メイ・夏美たちは、先輩から託されたラブライブ!決勝での歌づくりに奮闘していた。少しずつ確実に、1期生の卒業に向けて変化していく結ヶ丘。前人未到の二連覇をかけた、Liella!最後のラブライブ!が始まる――
なんともう卒業間近となってしまいました。話の展開が早い! かのんは単身ウィーンへ。おかしいな、海外の大学って9月から新年度が始まるんじゃないのか、4月入学は日本だけなんじゃないのかと思って調べてみたところ、オーストリアの大学では、入学時期は10月と3月ということになっているようです。ということは日本の高校を卒業して入学できるようですね。「入学手続き」ということは本当にウィーンで音楽の勉強を続けるという意志が固まっているのでしょう。

他方でウィーン・マルガレーテはなんとオーストリアに戻らず、日本でLiella! の一員としてスクールアイドルを続けるという決断を下します。1年前はスクールアイドルなんてくだらないと言ってファンからのヘイトを一身に避雷針のごとく呼び集める存在だったのに、仲間とのふれあいを通じて随分変わってきました。

そしてLiella! 最後のラブライブ! 結果は二連覇! 前人未到の快挙です!!

・・・ん? 待てよ? なんだかやけに展開が早くないか?

ラブライブ! の一ファンとして、さすがにちょっとここまで来てやはり違和感を持たざるを得ませんでした。

それは、次のような要因があるものと思います。
1.1年を12話で描くことの難しさ
たとえば『ラブライブ! サンシャイン!!』は1年を2クール+映画で描いています。映画は付け足しとして、1年を26話で描いています。
一方で『ラブライブ! スーパスター!!』は3年を3クールという構成ですから、1年を13話で描き、これを3回繰り返すことになります。どうしても駆け足になってしまい、シーンAからシーンB、そしてシーンCへという「スケジュールを詰め込みすぎた海外旅行」状態に近づくという宿命を抱えています。

2.キャラクターの掘り下げが乏しくなる
結果として、各キャラクターの掘り下げが乏しくなってしまいます。
たとえばウィーン・マルガレーテはなぜスクールアイドルを続けることにしたのか。くだらないと思っていた活動に興味を抱き始めたのはなぜか。これはオセロがひっくり返るくらいの激変ですから、味わいのある描写を時間をかけて積み上げていってこそ、初めて説得力が生じるというものです。

しかしながら、11人もいるキャラクターの個性を1話24分で掘り下げるというのは無理な話です。本来なら1年かけて52話くらいの長さを持たせてしかるべき話です(同じNHKなら、例えば朝ドラなら1話15分ながら半年かけて物語を進めていますから、登場人物の成長を表現できています)。

3.結果的に、話がわざとらしくなる
このときこのキャラクターは、なぜそういう発言をしたのか? それは、そのキャラクターの個性が丁寧に表現されていればこその説得力です。上述のウィーン・マルガレーテがスクールアイドルを続けるという決断をしたのも、視聴者は「今の彼女なら、きっとそう言うだろうな」と想像するに足るだけの証拠を目撃しておらず、想像で補完するしかありません。そうなってくると、各キャラクターは脚本家の操り人形でしかないのだという印象に傾いてしまいます。

最後のラブライブ! においても、ライバルキャラクターらしき団体が一応は登場しますが、あくまでも「Liella! を意識しているらしいよ」という伝聞推定の情報でしかなく、実在するのかしないのかわからない、というほどの影の薄さ。そうなるとラブライブ! はLiella! が優勝するだろうなというのはもう番組を見る前から予想がついてしまい、意外性もへったくれもありません。どちらかというと出来レースです。

ここまで急ぎ足で大会の結末を急いだのはなぜか。最終話で、「頂点を極めたスクールアイドルのその後」という、過去のシリーズで描くことができなかったことを表現しようとしているからなのでしょうか。いずれにせよ、本来はもっと話数を増やして語るべき物語だったように思えてなりません。