このブログは「友だちいない研究所」と言います。つまり管理人である私には友だちがいません。だから友だちがいない人が考えること、調べたことなどをメインに記事を投稿しています。

そんな根暗なことを続けて6年以上経過しました。記事を毎日のごとく書いていると、むしろ自分は友だちがいなくて幸せだったんだ、人間関係がない方が自分は幸福感を得られるんだということを強く実感するようになりました。

最近、「名言だ!」と思ったのが、レオナルド・ダ・ヴィンチが残した言葉。
彼はパリ手稿Aと呼ばれるノートに次のようなメモを残しています。
才能を育てるためには、あなたは孤独でいるほうがいい。特に考えに集中しているときはなおさら。考察したものを常にイメージすることによって、しっかりと記憶できるから。
もしあなたが1人なら、あなたのすべてがあなたのものだ。ところがたった1人でも連れがいれば、あなたは半分になる。付き合いが増えるだけ、あなたは何もできなくなる。つまり、もしあなたが大勢の人と一緒にいればいるほど、不自由な人生を送ることになるよ。
「1人でも連れがいれば、あなたは半分になる。付き合いが増えるだけ、あなたは何もできなくなる」。ほんとそれ。だから私は昔から1人でいるのを好んだのでした。集団行動を憎み、職場での「一見仕事に見えるが、じつはただの人間関係ごっこ」を憎み、職場で知った人と仕事以外で関わることを忌避したのでした。

ちなみにですがレフ・トルストイもまた、内向的であったとされ、一人の時間を非常に重要視していました。そう、『戦争と平和』『アンナ・カレーニナ』『復活』を著したあのトルストイです。彼は「一人の時間がなければ、真に自由な精神は養われない」という信念を持ち、静かな環境で執筆や思索に耽ることを好んでいました。また、トルストイは農村での生活を選び、自然と向き合いながら深い内省を行い、その結果として人道主義や非暴力の思想を確立しました。彼にとって一人の時間は、自己理解と価値観を築く上で不可欠だったのです。

人道主義、非暴力の思想はその後南アフリカのとある弁護士に影響を与えることになりました。その思想をスタート地点として、彼はイギリスの植民地支配に立ち向かい、インド独立にあたって何億人もの人を先導する役割を担うこととなります。彼の名はガンディー。死後もなお彼の思想は次の世代に受け継がれ、アメリカではキング牧師が黒人差別解消に向けて運動をするにあたっての拠り所となったのでした。

フランスの作家マルセル・プルーストもまた、社交を避けて長時間を自宅で過ごすことで知られていました。彼は『失われた時を求めて』を執筆する際、ほとんど外出せず、静かな環境で過去の出来事を深く追憶する時間を持つことで、内省を深め、構想を練っていたと伝えられます。

ものを書くといえば、アンネ・フランクもそうでした。彼女たちを支援した人は、日記を書いている最中のアンネに話しかけられると、ものすごい表情で睨みつけられたと伝えています。そりゃそうでしょう。集中して自分の心の奥深くに分け入って、自分の気持ちを言葉で表現する方法をじっくりと追求しているときにノイズが混じろうものなら目も当てられません。いかに支援者といえども、邪魔者を睨みつけたアンネにいたく共感します。

さて私がこの記事を書いているのは土曜日の夜。誰とも会わず、喋ることのない1日でした。つまり極上の休日だったということです。友だちいなくて、ほんとうに良かった!!