諏訪湖畔に佇む北澤美術館。エミール・ガレ、ドーム兄弟、ルネ・ラリックなどのガラス工芸と現代日本画を展示している、小規模ながらもハイセンスな美術館です。諏訪市出身の実業家・北澤利男が長年に渡り収集したコレクションがもととなって1983年に開館しました。自然豊かな景色に囲まれたこの美術館は、そのロケーション自体がアート作品の一部のようで、四季折々の風景を楽しみながらゆったりとした時間を過ごすことができます(ただし真夏に訪れると・・・、そもそも訪問するという行為自体が試練なのは言うまでもない)。
コレクションの主力であるエミール・ガレとは誰だ、という話ですが、彼はアール・ヌーヴォーを代表するガラス工芸家であり、パリ万国博覧会などに出品していました。
ここの見どころの一つは、何と言ってもエミール・ガレを中心としたアール・ヌーヴォー様式のガラス工芸コレクションでしょう。彼の作品に触れることで、当時のヨーロッパの文化や美意識を感じ取ることができます。ガレの代表作である植物モチーフのガラス器は、光を受けるとその輝きが一層際立ち、まるで生き物のように躍動感を持っているかのようです。入るとまず一夜茸という作品が展示されています。一晩にして溶けて無くなってしまうキノコが一夜茸ですが、生命の儚さなどをどうやら表現したかったようです(ちなみに一夜茸は食用可能ですがアルコールとともに食べるとほてり、頭痛、発汗、けいれん、吐き気、呼吸困難、頻脈などの症状が出るようです)。
また、北澤美術館ではガレ以外にも、多くのアール・ヌーヴォーやアール・デコの作品が展示されており、当時の工芸美術の豊かな表現力に触れることができます。特に、これらの作品の曲線美や自然を取り入れたデザインは、現代の工業デザインにも通じるエレガンスと実用性を兼ね備えています。美術品を鑑賞するだけでなく、デザインの歴史や背景に思いを馳せることができる点も、この美術館ならではの魅力です。
さらに、展示品の配置や照明の工夫が素晴らしいの一言。作品が一番美しく見えるように設計されています。光の角度や強さが絶妙で、ガラス作品の繊細な色彩や質感が際立つように工夫されているため、どの角度から見ても新たな発見があります。
また、北澤美術館ではガレ以外にも、多くのアール・ヌーヴォーやアール・デコの作品が展示されており、当時の工芸美術の豊かな表現力に触れることができます。特に、これらの作品の曲線美や自然を取り入れたデザインは、現代の工業デザインにも通じるエレガンスと実用性を兼ね備えています。美術品を鑑賞するだけでなく、デザインの歴史や背景に思いを馳せることができる点も、この美術館ならではの魅力です。
さらに、展示品の配置や照明の工夫が素晴らしいの一言。作品が一番美しく見えるように設計されています。光の角度や強さが絶妙で、ガラス作品の繊細な色彩や質感が際立つように工夫されているため、どの角度から見ても新たな発見があります。
こういう間接照明なども展示されています。うーん、こんなおしゃれな照明、1万円くらいなら買ってもいい・・・、と思っていたら物販エリアで本当に売っていました。でも2万円くらいするのと、一品だけ買っても他の家具と釣り合いが取れないので断念しました(物販もすごく充実しています)。
ところでガレの工房ですが、世界恐慌ののちに閉鎖されてしまいます。アール・デコなど新しいデザインが流行するなか、工房は徐々に彼の存在感を失っていきます。ガレのデザインと技術は非常に個性的で、他の職人が完全に同じように制作を続けるのは困難でしたし、そもそも需要が減っていく傾向にあり、そこに世界恐慌がとどめとなったようです。・・・ということが館内の展示に書かれていましたが、なんだか日本のエレクトロニクス産業を想起させ・・・、いやこれはべつに言わなくてもいいですね(なら書くなよ)。
ともあれアール・ヌーヴォーの時代は終わりを迎え、新しい時代の美学が登場する中で、ガレの工房もまたその歴史の一部として幕を閉じたわけです。しかし、ガレの作品は今でも美術館やコレクションを通じて鑑賞され、彼の芸術的遺産は生き続けています。全体として、北澤美術館はただ美術品を鑑賞するだけの場所ではなく、自然とアートが一体となった特別な空間です。ガラス工芸やアール・ヌーヴォーに興味がある人はもちろん、芸術にあまり詳しくない人でも、その美しさに引き込まれること間違いなしです。訪れるたびに新しい感動を与えてくれるこの美術館は、一度足を運んでみる価値が大いにあります。ちなみに私は4回訪れています。たぶんこの先5回、6回と回数が増えることでしょう。
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