旅行というのは疲れます。滞在型の観光にしてやろうと思ってもリゾートホテルに宿泊するのでない限り、つい「あそこへ行ってみよう」などという気持ちになってフラフラと出歩きます。

最初のうちはそれで良いのですが、昼ぐらいになると段々消耗してきます。自宅以外の場所に宿泊している時点でただでさえ疲れるのですが、なおかつ出歩くのでますます疲れます。挙句「なぜこんなところに来たのだろう」とネガティブな気持ちに傾いたら目も当てられません。

旅行で体力の消耗を抑えるために歩行数を最小化する作戦は、特に観光地として有名なローマのような都市において、現実的かつ理にかなったアプローチです。ローマは広大な歴史的建造物や遺跡、観光名所が密集している一方で、石畳の道や急な坂道が多く、観光中に歩くことによる体力の消耗が非常に大きくなりがちです。私も2024年にローマに滞在しましたが、思った以上に歩く羽目になって想像以上に体力を使ってしまいました。

ローマはその歴史的背景から、近代的な都市計画に基づいて設計されたわけではなく、古代ローマ時代からの街並みがそのまま残っています。道路は曲がりくねっていて、石畳が多く、歩行者には足元の注意が必要です。うっかりすると石畳に足を取られて転びます。辛い。

さらに、フォロ・ロマーノやスペイン広場などの観光名所は丘の上や坂の多い場所に位置していることが多く、これがさらに移動の負担を増加させます。このような地形の特性から、無駄な歩行を避け、効率的なルートを取ることが体力の消耗を抑えるために重要です。

旅行において体力の消耗を抑えることが重要なのは、旅の全体的な質に直接影響を与えるためです。体力が著しく消耗すると、観光地を楽しむことが難しくなり、集中力や興味が薄れてしまいます。

特にローマのように、芸術や歴史、文化に富んだ都市では、何かに集中して味わうということがとても大切です。バチカン美術館なんて一度訪れたら次に訪れるのはいつのことか分かりませんね。もしかしたら人生最後かもしれません。でも体力が奪われるとその楽しみが半減します。また、旅行の日程が詰まっている場合、体力を効率よく使わなければ、後半に疲れが溜まりすぎて最後になればなるほど投げやりな態度になりがちです。

幸いローマでは(工事中だったりするが)地下鉄があったり、バスがあったりと交通網が発達しています。バスは乗りづらいですが、事前に少し調べるだけで問題ないでしょう。そもそも公共交通機関である以上誰もが乗れて当然の乗り物。これを使わないのはもったいない。

言うまでもなく、事前に観光ルートをしっかりと計画し、目的地同士の距離を考慮して無駄な移動を減らすことも重要です。さらに、歴史的な街並みを一度にすべて歩いて楽しむのではなく、適度に休憩を挟みながら観光することも体力の維持に役立ちます。(ただ、ローマの喫茶店はコーヒーだけだと立ち飲みになりがちです。)

今回の事例はローマでしたが、見どころの多い都市での観光は、体力の消耗を最小限に抑えることが全体的な満足度や体験の質に大きく影響します。歩行数をなるべく減らすることで、体力を温存し、旅の全ての瞬間をより深く楽しむことができるでしょう。適切な移動手段やルート選定、そして休息の取り方を工夫することで、より充実した旅行が実現します。要するにGoogleマップを有効活用したほうが良い、ということです。道を間違えると、まず間違えて時間のロス、元いた場所に戻るために同じ長さの時間をロス、無駄がとにかく多いですから。