円安そして物価高の影響で、欧州なら10年前は6,000円くらいで宿泊できていたはずのホテルが1万円を超えるような状況になっています。たとえば2つ星ホテル。それこそ10年前は殺風景、トイレ狭い、シャワールームも狭い、ネット回線細いみたいな、いかにも友だちがいなくて一人旅しか選択肢がないようなワイみたいなやつが宿泊するパリとか南仏のホテルは一泊6,000円くらいでした。それと2016年8月のウィーンの3つ星ホテル(設備はかなり充実していて部屋も広かった)も一泊6,000円から7,000円でした。

2024年8月に私はローマやフィレンツェなどに滞在しましたが、ホテル代が高騰していて円安を実感しました。現地でのユーロ利用は、かつて1ドル100円くらいのときに買い込んでおいた米ドルをユーロに替えて使っていたのである意味円安を回避できたわけですが、さすがにホテルは事前予約のためそうもいきませんでした。

勢い、楽天トラベルとかエクスペディアで「安い順に並べ替え」機能をつかってその時一番安いホテルから調べていくわけですが、落とし穴がありました。考えてみれば当たり前の話なのですが、「安い順に並べ替え」機能を使うと確かに安い順に並べ替えてくれます。これは当然。しかしながら安いのはいいとして、そのホテルの機能がどうしたとか、満足度はどうしたとか、口コミはどうしたとか・・・。値段ばかりに注目しているとそういうところをつい見落としがちになってしまいます。

で、見つけたホテルが1万円。他のホテルは1万1千円。残り二部屋。やべえすぐに予約しないと・・・。

という調子でホテルを予約していくと、いざその街に行ったときに「いてて」となります。要するにホテルが駅から微妙に離れている位置にあって、歩きでのアクセスが難しいことに気づくわけです。Googleマップで事前に調べていても、二次元の地図を俯瞰的に見るのと、いざ実際にそこを歩いてみるのは大違い。地下鉄から出た。さあ自分は東西南北どっちを向いているのか。まずそれを明確にしないとホテルに到着できません。方角はわかった。ではどう歩けばいいのか。地図で見て大体わかっているつもりでも、紛らわしい横道があったりして歩いていると段々自信がなくなってきます。それに疲れた体でスーツケースを引いているとすぐに嫌気がさしてきますし、夏の日や雨天時はなおさらです。

というわけでタクシーに頼ります。近場でも8ユーロくらいはかかったりします。ミラノでの私はまさにそんな感じでした。タクシーの車窓から流れていく街を見ながら「こりゃ歩きは無理だ。大人しくタクシーを選んで正解だった」。私はそう思いました。

行きの歩きが無理なら帰りの歩きも無理。よって往復で16ユーロで2500円くらい余計にコストが発生します。そんなことをするくらいなら最初からもう3000円くらい増額してアクセスの便利なところにホテルを予約しておけばよかった。そう思っても後の祭りです。

しかもそういうのは、行ってみて初めて街の規模感を体で実感して初めてわかること。事前にはまさか当日自分がそういう思いをするなんてまったく想像もしていません。なんてこったい。