池袋サンシャインシティにある古代オリエント博物館は、「なんで池袋にこんなものがあるんだ?」とつい余計なことを考えてしまうという点でも、またミイラやメソポタミアについて詳しくなれてしまうという点でも稀有な博物館でしょう。
池袋駅から人混みをかき分けてようやくサンシャインシティにたどり着くと、ますますひどい人混みに遭遇します。人嫌いの私はイライラしていたのがますますイライラします。とくに真夏だと猛暑という要素も加わり非常に不愉快な気分になります(そんな日に出かけると決めたあんたが悪い)。
しかし文化会館ビル7Fにある古代オリエント博物館にたどり着くとそこは(あまり人がいないので)静謐な空間です。ここでは主にメソポタミアと呼ばれていた地域やエジプトの出土品が展示され、ミイラなどについて詳しくなれる面白スポットであります。個人的に「これは面白い!」と思った見どころを書きとめておきます。
1.ミイラの作り方
普通、ミイラを作ってみたいという積極的な気持ちをもったことはないはずです。私もありません。しかしここに来ればミイラの作り方という、一生使うことはないであろう知識が獲得できます。さすがに技能までは獲得できませんが。
まず死体から内臓をくり抜きます。そして肺とか胃とか肝臓をそれぞれ専用の容器に保存します。でも心臓だけは体内に残しておきます。古代エジプト人は魂が宿る場所は心臓だと信じていたのです。 そのため、ミイラ化する際に、心臓をあえて残していました。これは知らなかった。
そして鼻の奥の骨に穴を開けて脳みそを取り出します。理由は、脳みそは水分が多いので、体内に残留していると腐敗が進行してしまうからです。これも知らなかった。
その後で防腐処理を施し、神官が祈りを捧げるというもので、ミイラ一体を作るのに数十日かかるようです。そんなに手間がかかるなんて・・・。その苦労を思えば、これまで大英博物館とかでミイラとか棺を見るたびに気持ち悪いと思っていたのがちょっと申し訳なくなってきてしまうじゃありませんか。
2.仏教は仏像を崇拝しない
もともと仏教は偶像を崇拝する宗教ではありませんでした。お寺に行けばたくさんの仏像が立ち並んでいます。なんとか如来像とかなんとか観音とか・・・。でも仏像を作って祈るというのはギリシア・ローマの影響だったそうです。ほんとに知らなかった。調べてみたところ、初期の仏教では、仏陀を直接描写することは避けられており、彼を象徴するものとして、足跡や空っぽの玉座、法輪などが用いられていました。
しかし、後に仏像が作られるようになった背景には、ギリシア・ローマ文化の影響があるという説が一般的なようです。この影響は特にガンダーラ地方(現在のパキスタンやアフガニスタンの一部)で顕著に見られます。ガンダーラ地方は、アレクサンドロス大王の東方遠征によってギリシア文化がもたらされ、その後のヘレニズム文化が影響を与えました。
ガンダーラ美術は、仏教美術とギリシア・ローマの彫刻技法が融合したものとされ、ここで初めて仏像が彫刻として作られたとされています。この影響を受けて、仏教の中で仏像の制作と崇拝が広まったという説が有力です。したがって、仏教が元々は偶像を崇拝しない宗教であったことと、ギリシア・ローマ文化の影響で仏像が作られるようになったというのは事実です。ただし、仏像の制作が仏教の教義や信仰にどのように統合されたかは、地域や時代によって異なる進化を遂げています。
しかし、後に仏像が作られるようになった背景には、ギリシア・ローマ文化の影響があるという説が一般的なようです。この影響は特にガンダーラ地方(現在のパキスタンやアフガニスタンの一部)で顕著に見られます。ガンダーラ地方は、アレクサンドロス大王の東方遠征によってギリシア文化がもたらされ、その後のヘレニズム文化が影響を与えました。
ガンダーラ美術は、仏教美術とギリシア・ローマの彫刻技法が融合したものとされ、ここで初めて仏像が彫刻として作られたとされています。この影響を受けて、仏教の中で仏像の制作と崇拝が広まったという説が有力です。したがって、仏教が元々は偶像を崇拝しない宗教であったことと、ギリシア・ローマ文化の影響で仏像が作られるようになったというのは事実です。ただし、仏像の制作が仏教の教義や信仰にどのように統合されたかは、地域や時代によって異なる進化を遂げています。
このようなことは、古代オリエント博物館に行ってみて初めてわかったこと。まさか池袋でこんな知識を獲得するなんて、完全に想定外でした。うーむ面白かった!
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