有楽町駅から徒歩1分の場所に立地するのが東京国際フォーラムです。ここはライブだったり講演会だったり展示会だったりと様々な催しが開かれます。ただし、オーケストラのコンサートを開催するにはキャパが最適とは言えないこと、コンサート専用の音楽ホールではないため音響的に微妙ですが・・・。だからでしょう、在京オーケストラはここで演奏会を開催することはまずありません。普通に考えてサントリーホールだったり東京文化会館とかですね。先日久々にバレエを鑑賞するために東京国際フォーラムホールCというところを訪問しましたが、やはり音響が微妙で、音が鳴った瞬間に「ポワーン」と拡がっていくような感じは一切ありませんでした。

ここで開催される音楽イベントといえばGWのラ・フォル・ジュルネですが、ホールAは何をやっているのか分からないわ、ホールBとかCは会議室なのかただの広い空間なのかよく分からないわで音楽の楽しみからは程遠く、むしろ数をこなすことが目的になりがちだということに気づいてからというもの全く行かなくなりました。

というわけで相当久しぶりに立ち寄った東京国際フォーラムホールC。しかしながら一つだけ「これはいいぞ!」と思った点がありました。それは、座席の広さです。明らかに上述のサントリーホールや東京文化会館よりも幅が広い。新幹線よりも広い。ついその1週間前に訪れた新国立劇場よりも広い。では一体どれくらいの広さなのか? そもそも論ですが、劇場の座席幅は条例によって最低限守らねばならない基準が設けられています。東京都の場合、「火災予防条例」というものがあり、
(劇場等の客席)

第四十八条 劇場等の屋内の客席は、次に掲げる基準によらなければならない。

一 いすは、床に固定すること。

二 いす背の間隔(いす背がない場合にあつては、いす背に相当するいすの部分の間隔とする。次条において同じ。)は八十センチメートル以上とし、いす席の間隔(前席の最後部と後席の最前部との間の水平距離をいう。以下この条において同じ。)は三十五センチメートル以上とし、座席の幅は四十二センチメートル以上とすること。
となっています。座席幅は42cmが最低基準です。42cmあれば条例を満たしているからOKというものではなく、こういうのは守らねばならない最低基準であり、これをなるべく高い水準でクリアできるようになっているべきです。ちなみに東海道新幹線の座席幅は44cm。細かいことを言うと、
700系とN700系の3列座席はB席のほうが広くなっている。ただしN700系では、それまでの形式と比べて窓側と通路側が10mm広くなり、幅440mmとなった。B席は460mmと変わらないから、その差20mmに縮まっている。いずれにしてもB席のほうが広いから、体格の良い人はB席のほうがゆったりとくつろげるだろう。

(https://news.mynavi.jp/article/trivia-152/より)
これよりちょっと広いという実感があったのでおそらく46~47cmくらいはあったのではないでしょうか。

くどいようですが音響は微妙ながらも座席幅はゆったり。これはありがたい。ああ、これくらいの座席の音楽専用ホールがあればなあと、ついないものねだりをしてしまいます。