以前の記事で、四諦について書きました。人間には四苦八苦と呼ばれる様々な苦しみがあり、その苦から自由になるための道筋が四諦でした。四つめが道諦であり、正しい修行を実践すれば、苦の輪廻から解き放たれて解脱に至ることができるとされています。その実践方法ようするにハウツーが「八正道」だそうです。(この記事も平等院鳳凰堂で無料配布されていた「とってもやさしい はじめての仏教」という小冊子を元に作成しています。)

八正道は読んで字のごとく八の正しい道がある、とされています。現代なら「正しい」って何だよ、日本人にとっての正しさは中国人にとっての正しさじゃないし、中国人にとっての正しさはアメリカ人にとっての正しさじゃないぜ、とつい余計なことを考えてしまいますが、仏教が始まった古代ではそんなややこしいことは考えなくて良かったようです。

とにかく苦を滅するのが八正道。

1.正見(しょうけん):正しい見解を持つこと。四諦の教えに基づいて、自分や社会について正しい見解を持つこと。でも正しい見解って何なんでしょうね。米大統領選挙について論じよ、と言われてもその人の思想いかんによっては民主党候補者支持だったり共和党候補者支持だったりするわけですから、「これが正しい見解だ」なんてものはないんじゃ・・・。そういう疑問を持っちゃだめなんでしょうか。たぶんだめなんでしょう。

2.正思惟(しょうしゆい):正しい考えを持つこと。欲望を離れ、起こらず、何も傷つけない心を持たなければならないという考えのもと、正しく判断すること。また「正しく」。・・・。

3.正語(しょうご):正しい言葉を使うこと。正思惟に基づき正しく美しい言葉を使うこと。逆に嘘とか悪口とかは言わない。これはわかります。

4.正業(しょうごう):正しい行為をすること。正思惟に基づき常に正しいことをすること。言い換えると殺人とか盗みとかを行わないこと。ん? ということはそれだけ昔は殺人事件が多かったのでしょうか??

5.正命(しょうみょう):正しい生活をすること。殺人とか盗みなどで生活を維持するのではなく、まっとうな手段で生活すること。うーん、これだとなんだか古代インドでは殺人事件が沢山発生していたように聞こえてしまいます。いやインドだから何があっても不思議ではない。

6.正精進(しょうしょうじん):正しい努力をすること。悪い行いをやめ、善い行いにフォーカスすること。これもわかります。

7.正念(しょうねん):正しく意識を集中すること。自分の身体、意識、身の回りのすべてに集中し、気を抜かないこと。マルクス・アウレリウスも似たようなことを言っていたのでこれもわかります。

8.正定(しょうじょう):正しく精神を統一すること。7から更に進み心を集中し、瞑想を深めて、やがては悟りの境地に到達すること。

それにしても、八もポイントがあるなんて、正直言って私には辛いです。しかもこの修行というのは、「これが出来たらクリア」というものはなく、生きている間続くという性質があります。ということは修行そのものがじつは無間地獄なんじゃないかと、私はふと思ってしまいました。正思惟からかけ離れた着想としか言いようがありません。