「「最悪、人が死ぬ」「やめるべき」『24時間テレビ』やす子のチャリティーマラソン中止を医師が実名で緊急警告、市民ランナーの熱中症リスクとは」というネット記事を見かけました。それによると、

2023年に発覚した『24時間テレビ』の寄付金横領事件が影響し、現在、同番組には逆風が吹き荒れている。好感度の高いやす子を起用することで、なんとか批判の声を跳ね返そうとする同局だが――。 

「今回の24時間テレビチャリティーマラソンはやめるべきだと思います」  
と語るのは、五良会クリニック白金高輪理事長・五藤良将医師だ。自身も市民ランナーとしてマラソンに挑戦した経験のある五藤医師は、「熱中症の危険性を、軽視すべきでない」と警鐘を鳴らす。 

「やす子さんには、トレーニング中も専門家のサポートがあると思いますが、参加する1000人の市民ランナーの方は、やす子さんのように恵まれたサポート体制で走るわけではないでしょう。  たとえ短い距離であったとしても、その間に熱中症による事故が起こる可能性があります。特に28度以上の気温では、熱中症のリスクが高まり、31度以上では運動自体を禁止することが推奨されています。

私自身はこの番組を見たことがないのですが、フルマラソン完走経験もあるので、長距離走の辛さ、そして何より夏場に走ることの過酷さはよく分かっています。分かっているからこそ、7月8月は走らずに水泳をしています。

にしても、なぜ毎年少しずつ夏が暑く過ごしづらくなっているにもかかわらず、炎天下で走るという苦行をTV番組にするのでしょうか。
そもそも、このような批判は前々からあったことはさすがに私も承知しています。にもかかわらず、どうしてこのようなイベントをわざわざ真夏に実施するのでしょうか。呆れるほどに硬直的です。

不思議なことに、この「硬直的」というのは日本社会の随所で見られる特徴です。新型コロナウイルス感染症拡大防止を目的とし、複数回にわたり緊急事態宣言が発令されました。しかし、果たしてどれほど効果があったのか。他方で社会全体への負担はどれほどのものであったのか。そうしたメリットとデメリットを冷静に見極めたうえで柔軟かつ科学的に判断するような姿勢は政府にはなく、同じことを何度も繰り返していたのは記憶に新しいでしょう。

感染症といえば、厚生省(現・厚生労働省)のハンセン病に患者に対する対応もやはり硬直的でした。20世紀中盤には治療薬が普及し、ハンセン病は不治の病ではなくなりました。これにより世界各国は隔離政策を取りやめるなか、日本だけが1960年代以降も国際的な批判を受けながらもなぜかこれを継続しました。隔離は人が誰しも当然持っているはずの発展可能性を摘み取るものであり、重大な人権侵害でありますが、厚生省は療養所(実態としては収容所に近い)の待遇改善といった小手先の変更に終始し、抜本的改革には全く手を付けませんでした。ご存知のとおり、ハンセン病国賠訴訟で熊本地裁が「1960年には違憲性が明白だった」旨の判決を2001年に下しています(国は控訴せず、これで判決が確定しました)。

・・・とTV番組しかり国の政策しかり、なぜこんなに一度始まったものが、その役割を終えたとしても頑なに続いてしまうのでしょうか。誤ったら死ぬ病気にかかっているのでしょうか。