お店に行くといろいろなものが溢れています。失われた30年などと言われてはいるものの、曲がりなりにもG7に加盟している日本。新宿や銀座、渋谷には街の性格を反映して様々なお店が立ち並び、それぞれのお店がいろいろなものを販売しています。東京に初めて来たら驚くでしょう、このものの溢れっぷりに。

実のところ東京経済圏というのはNYや上海よりも抱えている人口が大きく、世界最大のビジネスエリアでもあります。なにしろ東京都民だけでおよそ1400万人もひしめいているわけですから。

というわけで上京していろいろなお店に行ってついいろんなものを買っていくと、だんだん魅力を感じる商品は少なくなっていきます。なにしろ、欲しいものを買うわけですから、欲望が少しづつ満たされていくわけで、そうなると別に欲しくないものがお店に残るようになります。次から次へと驚くような新製品が開発されるわけでもありませんから、よほどのマニアでもないかぎり、同じような商品を複数家に置く必要性もないでしょう。そしてだんだん物欲というものが消滅していくわけです。ここで「何か買わなければ」という余計な気持ちを起こさないことが大事であって、いらないものを買わない勇気が資産形成に役立つと考えます。


いらないものを買わない勇気


「いらないものを買わない勇気」は、資産形成において非常に重要だと思います。まず何よりも不要なものを買わないことで、無駄な出費を抑えることができます。これにより、収入の中から貯蓄や投資に回せる金額が増えます。例えば、毎月の小さな無駄遣い(コーヒー代や雑誌など)を控えるだけでも、年間で大きな額を節約でき、その分を資産形成に充てることが可能です。とくに雑誌などはKindle Unlimitedに加入すれば読み放題になるものが多く、いちいち買うよりもそちらの方が経済的であるのは言うまでもないでしょう。

不要なものにお金を使うと、本来そのお金をもっと有効に活用できた場面を逃すことになります。例えば、衝動買いで使ったお金を投資に回していれば、その資金は利息や配当を生み出し、将来的にさらに大きな資産となる可能性があります。このような機会費用を減らすことは、資産形成において重要な要素です。私自身は販売手数料が0円、信託報酬は年1%のインデックスファンドに長らく投資していますが、早く初めて本当に正解でした。

また、いらないものを買わないことで、自分にとって本当に必要なものや価値のあるものに焦点を当てることができます。これにより、より質の高い生活を送ることが可能になります。私の場合、ある時に服をいくつも買い込むことがありました。ところが服は増えれば増えるほど回転率が落ちていきますから、せっかく買ったのにあまり着なかったという無意味行動でしかありませんでした。どうせ月曜から金曜はスーツ+ワイシャツという組み合わせなのですから、服は必要最小限持っていれば十分でした。

つまるところ「いらないものを買わない勇気」は、短期的には出費を抑える手段であり、長期的には効率的な資産形成につながります(適切な投資信託などを見つけられればですが)。この勇気を持ち続けることで、節約から始まり、貯蓄、投資へとつなげることができれば、それだけ財産形成に有利に働きますし、その分早く仕事を辞めることも可能になります。仕事を辞めればもう誰ともしゃべらなくて良い毎日が送れるわけです。これを幸福と言わずして何と言うのでしょうか??