ひところ私はライブというものに足繁く通っていた時期があります。代々木第一体育館とか横浜アリーナとか日本武道館とか幕張メッセが会場になっていました。その会場によって随分と音楽の印象を含めて体験の質が左右されるなということを実感として学びました。

たとえば9月だというのにエアコン使用禁止という日本武道館(今はどうだか知りませんが)。暑いのなんの。規則が硬直的で、お客さんの感動体験を保証しようという姿勢がまったく感じられませんでした。はっきり言って脱出したくなりました。ここは帰り道が九段下駅目の前であまり混雑しなくて助かります。

東京ドーム。音がワンワンと響くわ、豆粒にしか見えないわ、ただ広いだけの会場でした。

代々木第一体育館。帰り道は門がやたらと狭く、歩道橋で必ず混雑するので目と鼻の先の原宿駅にたどり着くだけで一苦労。

味の素スタジアム。規制退場+飛田給駅の入場制限で2時間待ち。地獄。飛田給駅に向かうのではなく逆方向つまり東京外国語大学のキャンパスを突っ切って多磨駅へ向かえば楽ちんだと後で気づきました。後の祭り。後年これを実行してみたら東京外国語大学方面の夜は不安になるくらい人気がない道路がガラガラでした。

さて2023年9月オープンの横浜のKアリーナですが、音響はすごくいいという評判を耳にしました。ところが・・・。

9月に開業した世界最大級というコンサートホールを巡り、観客から不満の声が相次いでいます。ライブ終了後、最寄り駅まで徒歩10分のはずが、2時間かかったというケースも出ています。

(中略)

■駅まで徒歩10分が“2時間”も…「退場が地獄」

 しかし、観客からは次のような声が聞かれました。

 観客 りんさん:「ライブはすごく楽しいんですよ、音響もすごくいいし。(でも)その昼公演が終わって外に出たら規制されて、もう前にも進めないし、逆に戻ろうとしても絶対戻れないし。不安とイライラで、友達も私も険悪な感じ」

 横浜駅まで徒歩10分というアクセスの良さも売りの一つですが…。

 観客 mayuさん:「全然進まないという状態が続いてまして、2時間かかった人もいたみたいですけど、私は1時間半で行けました」

 さらに、SNS上では「退場が地獄」といった投稿も見られました。

■横浜駅方面のルートが1つ 近隣住民は?

 なぜこんな状況になってしまったのでしょうか?

 運営会社によりますと、「雑踏事故防止の観点から観客が会場から出る際に規制をかけている」といいます。また、歩道への出口が狭く、横浜駅方面のルートが1つに限られるため、混雑が起きているのです。

(https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000325004.htmlより)

控えめに言って地獄だと思います。どんな素晴らしい感動を味わっても最寄駅まで2時間かかるなんて、雨天や夏は最悪です。自分単独でそこに立っているのではなく、周りは人人人です。夏は暑さのあまり吐き気がするほどではないでしょうか。どうしてそんな健康を害するリスクを冒してまでコンサートに行きたがるのか。近所に住んでいるならまだしも(私はみなとみらいの近くに暮らしていたことがあります)、地方から遠征でやって来た、帰りの飛行機や新幹線をすでに予約しているという人にしてみれば、混雑で帰れないなんて悪夢以上のものではありません。

察するに、アリーナを建設しようという発想は良かったものの、一度に2万人もの人が周辺道路に溢れ出るとどうなるかというシミュレーションをあまり真剣にやらなかったのではないでしょうか。その点、複数の駅が利用可能な東京ドームは人がすぐにバラけてしまうのですごく便利なイベント会場だと言えます。ただ本当にこの手のイベントはほぼ引退してしまった(結局豆粒かつ巨大アンプから出てくる音楽は味気ない)ので、Kアリーナが混雑といってももう高みの見物でしかないですね・・・。