展覧会「北欧の神秘―ノルウェー・スウェーデン・フィンランドの絵画」は、SOMPO美術館で2024年3月23日(土)から6月9日(日)まで開催されています。この展覧会では、ノルウェー、スウェーデン、フィンランドといった北欧地域の絵画作品を紹介しています。

展覧会のテーマは「北欧の神秘」であり、北欧の自然や文化、そして人々の心象風景に焦点を当てた作品が展示されています。北欧地域の豊かな自然や厳しい気候、独自の文化が作品にどのように表現されているか、訪れる人々にその魅力を伝えることを目的としています。

展覧会では、ノルウェー、スウェーデン、フィンランドの画家たちによる多彩な作品が展示されており、風景画、人物画、抽象画などさまざまなジャンルが取り上げられています。北欧地域の美しい自然や独特の文化が描かれた作品を通じて、北欧の神秘的な魅力に触れることができます。

この展覧会は、5階から始まり、4階そして3階へと降りていくというルートになっています。4階展示室の作品と、3階展示室の終点に展示されているゴッホの「ひまわり」は、SNS等の私的利用に限って写真撮影が可能となっています。4階にどんな作品があるかは、行ってみてのお楽しみです。

展示されている絵画は、スウェーデン国立美術館、フィンランド国立アテネウム美術館、ノルウェー国立美術館から借用しているもの。これらの国へ実際に行こうとすると一体いくらかかるのか(特に猛烈な円安の今)を考えると、3つの美術館の作品をまとめて鑑賞できるという点でかなりお値打ちだと言えます。しかも。土曜の昼という、いかにも混雑が予想されるタイミングで行ってきましたが、かなり空いていて、フェルメールとかラファエロとかの展覧会できっと経験する「人がゴミのようだ!」とは無縁。これは助かります。

確かに、作家たちの名前は日本ではほとんど知られていません。ホルムベリ、クールベリ、ヴリクト、ベンネット、エークマン・・・。北欧の画家でパッと名前が出てくるのはムンクくらい。もちろん、この展覧会にもムンクの作品は出品されています。でも「えっ、ムンクってこんな作風だったっけ?」と思うこと間違いなし。

作品を一つ一つ見ていくと、あることに気づきます。「光」の雰囲気が、フランスやドイツ、イタリアの絵画と明らかに異なっているのです。特定の画家の「光」の描き方が独特だというのではなくて、おしなべて澄明なタッチなのです。これは不思議です。不思議ですが、昔中欧から始まってイギリスを経由し、オスロまで旅をしたことがあるので分かります。北欧特有の空気感といいましょうか、現地の気温や湿度がおそらく関係しているのでしょうけれども、空がどことなくキラキラと透き通っていて、儚い輝きを帯びているのです。

その典型的な例を一つ挙げるとすれば、シュルツバリの「古い孤児院の取り壊し」。単に古い建物の解体工事をしている、というただそれだけの絵画なのですが、そういう工事現場の様子でさえなぜか妙にキラキラしています。現地の人にしてみれば当たり前の光景なのかもしれませんが、湿度の高い東京ではこういう空気感を味わうことは不可能ですから、大変な物珍しさを感じます。

SOMPO美術館での会期は6月9日まで。よく考えてみれば北欧の作家たちの作品をまとめて見る機会なんてめったにありませんから、ぜひ足を運んでみていただきたいと思います。