ブログはオワコンだとは2019年ごろから言われていました。たしか、ブログというものが流行したのは2010年代前半でした。その後TwitterやFacebookといったSNSが流行するようになると、人気はすっかりそっちに流れてしまいました。ブログは文章を書き連ねなければならないというデメリットがあります。長い文章を書くことを苦に感じない人であればべつにどうということもないのですが、世の中の人々の大半は「だるい。いちいち書いてらんねー」と思ってしまうでしょう。なにしろTwitterの文字制限は140文字ですが、140文字いっぱい使って投稿している人は少数派ですから、推して知るべし。

SNSのいいところは、文章を書かなくても画像を添付すれば、写真が言葉を補ってくれるという点にあります。流行りのパンケーキとかタピオカとかを言葉で説明しなくても、画像があれば美味しそうだというのは直感的にわかります。その意味で、3Gから4Gの移行期にInstagramが流行したのは時代の必然だったのでしょう。このころからだったでしょうか、ブログが下火になっていったのは。

さらには2016年にはGoogleがアルゴリズムを大幅にアップデートし、権威性、専門性、信頼性で優るサイトが検索上位に位置づけられるようになりました。それ以前は、「こういう書き方をすればGoogleで検索上位に来る」という表面的なテクニックを弄して「頭痛は地縛霊が原因だ」のようなデタラメを書き連ねたサイトが表示されてしまう、ということが横行していたからです。要するにそうやって無理矢理にでも検索上位を占めてアクセスを独占し、やって来た読者に広告を見せたりそのサイト経由で品物を販売したりして収益につなげていたのですね。

これを放置しているとGoogleという検索エンジンの信頼性を損なうからと、上記のようなアップデートが行われるようになり、これがユーザーの満足度向上に貢献していることがわかるとその流れが強化されてゆきます。結果的に何が起こったか。個人で運営しているサイトには権威性も専門性も信頼性もありませんから、軒並み検索順位が転落し、場末に追いやられる羽目に。こうなるとせっかくブログ記事を更新しても誰も読みに来なくなるという状態になり、ブログがオワコンだと囁かれるようになったのでした。

・・・という時期に私はブログを始めました。以来6年あまり。やってみて分かったのは、「たしかにブログはオワコンだ、というか続けても心が折れるようにできている」ということでした。
続けていれば短時間のうちに文章を書き連ねる技術は向上します。中身があるかどうかは別ですが。

ただ記事を増やせばアクセス数も向上します。これは嬉しいです。

それでも定期的にGoogleがアルゴリズムをアップデートします。するとそのたびにアクセスが目に見えてガタ減りするのです。2024年3月にもどうやら大幅なアップデートがあったらしく、その結果私のブログはアクセスが半分ほどに減少しました。半分って・・・。

これは何も私のサイトだけが影響を受けているわけではありません。世界中の個人サイトでおそらく同じようなことが起こっているはずです(これまでもXつまり旧Twitterでそういう投稿を沢山目撃しました)。

これでモチベーションを維持しろ、というほうが無理でしょう。こうやってどんどん書き手が撤退してゆき、結果的にブログはオワコンとなっていくのです。

さて私は? というと、別に辞めるつもりは今のところありません。ブログが好きなのか、というとちょっと違います。生活の一部になってしまったのです。アクセスが増えるわけでもないのに、なぜか記事を書き連ねることが日課になってしまったのです。アホみたいな話です。かつて日本軍は兵力や物資をフィリピン方面へ輸送しようと、毎度のごとくバシー海峡を通過させてはそこで米国の潜水艦に撃沈されていました。アメリカ軍が驚くほど日本軍の行動はワンパターンでした。制海権を喪失した台湾とフィリピンの間のバシー海峡に兵員を満載した旧式輸送船を次々と繰り出しては撃沈され、それでも同じことを繰り返したのです。

・・・私は日本軍を嗤えないのでした。