6年ぶりに訪れたハーモ美術館。ここは諏訪湖のほとりに佇む品の良い美術館です。

最初に訪れたときには
という記事をポストしました。
そのときの私は、
アンリ・ルソー、グランマ・モーゼス、ジョルジュ・ルオー、アンリ・マティスらの作品が収蔵されています。
他にもピカソ、ルオー、シャガールなどの作品も展示されているのです。
と、分かったような分からないような説明をしていました。何が言いたかったのかというと、「実にいいポイントを突く!」ということです。小ぶりな美術館でありながらも、特定の芸術家の作品を数点ずつ収蔵しているのがミソ。一人1作品だと、結局なんだったのかよくわからない、2,3時間後にはすべて忘れてしまった、ということになるでしょう。

そうではなくて、例えばグランマ・モーゼスの作品を何枚も並べて展示することで、「ああ、この人はこういう作風なんだ」と印象が強くなり、しばらくして「また行ってみようかな」という気になるでしょう。そして行ってみて損したという気分になることのない美術館。湖の眺望もGoodです。

2024年3月20日(水・祝) - 2024年5月6日(月・祝)を開催期間として、この美術館では『岩合光昭写真展「ねこのとけい」』という企画展が実施中です。

日本人にとって、というか、世界の人びとにとって最も馴染が深い動物であるねこ。このねこの姿をきれいな写真に収めたのがこの企画展です。当然ながら鑑賞者がこれらの作品を撮影することは認められていないのでこのブログでも画像を紹介することはできませんが、九州のねこ、四国のねこ、関東のねこ、トルコのねこ、ギリシャのねこ、イタリアのねこ・・・。とにかく愛くるしいねこがたくさん。

私は渡辺麻友さんを今なおいたく応援しており、彼女はポムポムプリン(通称プリンくん)を応援していたので私もプリンくんを応援し、さらにはサンリオの株主にまでなってしまったので一応犬派ということになるのですが、それでも「ねこのとけい」のねこの可愛らしさにはムムムと唸るものがありました。

この展覧会のポイントをあえて言うなら、キャプションの付け方が秀逸なのです。
「不本意な妊娠が発覚してうなだれるねこ」

「それでも地球は動くと言い張るねこ」

「浪人確定で号泣するねこ」

「営業をさぼって漫画喫茶でくつろぐねこ」

「推しのアイドルにMIXを打つねこ」

のようなキャプションはありません。そうではなくて、ねこの可愛らしさを強調するようなキャプションが添えられています。この説明はあくまでも人間の目線から見たねこであって、当事者がどう感じているかは不明ながらも、写真+キャプションで一つの表現を形成していることは間違いないでしょう。

ところでハーモ美術館は、場所が場所なだけに、駅からの歩きだとちょっと遠いところにあります。



車があれば問題ありませんが、最寄駅である下諏訪駅からは1km以上、上諏訪駅からは軽く5kmはあります。6年前、私は上諏訪からタクシーを使ったら2,500円くらいかかった記憶があります。諏訪湖周辺では、ホテルをはじめとしてレンタサイクルがありますから、これを使うのが吉でしょう。

ちなみに諏訪湖周辺はこれ以外にもいくつか美術館が点在します。湖の周囲にはジョギングおよび自転車のためのコースが整備されているので、レンタサイクルで周るとたいへん気持ちいい運動になります。東京からは特急あずさに乗れば2時間程度の旅。土日の小旅行にもってこいの土地と言えるでしょう。