これはどうですか、と言われて躊躇せず始めたのがベートーヴェンの『ヴァイオリン・ソナタ第5番 春』でした。
他にもヴィヴァルディの『四季』より「春」とか候補曲はいくつか提示されていましたが、ヴァイオリン曲を1曲人前で披露できるだけの水準に到達させるためにどれだけの手間がかかるかということを身にしみてわかっているだけに、寄り道するだけの時間はないなということを悟り、何はともあれベートーヴェンに着手しました。
そして早速「なんじゃこれは」という箇所にビシバシとぶつかってしまったので、私はメモのために教師から言われた注意点を書き留めておきます。
ベートーヴェン『ヴァイオリン・ソナタ第5番 春』の練習注意点メモ
まず第1楽章の54小節目から。

ド、ミ、ソ、ド、ミ、ソ、ド、ミ。まずドを弾いてから「ミ、ソ、ド、ミ、ソ、ド、ミ」。
「ミ、ソ、ド、ミ、ソ、ド、ミ」は弓の元のほうを使って弾ませます。が、このとき弓がえぐるような動きをしてはいけません。なるべく直線的な動きをし、あくまでも手首のスナップのみを用います。よって手首の動きが固いとろくな結果になりません。私のように肘とか腕まで一緒に動かすと、ますますろくな結果になりません。
・・・という指導を受けたものの、「この動きを身につけるまで半年はかかるわい」と思いました(が口に出しませんでした)。
次は67~68小節目です。

リンフォルツァンド(rinf.)が書き込まれています。「その音を強く。その部分をより強調して」という意味ですが、そのあとすぐにピアノ(p)が登場します。
ということはまずリンフォルツァンドは弓を駒の近くで弾いて硬くて強めの音を出した後、68小節目ではサッと弓を指板の近くへ移動させて柔らかい音を出せ、ということになります。・・・という指導を受けたものの、「この動きを身につけるまで半年はかかるわい」とまた思いました(が口に出しませんでした)。
70小節目や72小節目には、見落としがちなスタッカート。そのあとにスフォルツァンド。
画像では「ラ」にスタッカートが付けられています。長くしすぎるな、ということが言いたいらしいのです。が、夢中で弾いているとつい見過ごしがちです。鼻糞みたいに小さくて目立ちません。私は見落としていました。そのまま弾いたら「見落とすな」と言われてしまいました。100m3のマンションが3000万円だから安い! と思って契約書にサインしたが、よく見ると1.00m3だったようなガッカリ感があります(「こち亀」にそういうエピソードがあります)。さらにそのあとスフォルツァンドがあるのでここはしっかりと音を出すべきです(だからスフォルツァンド)。なんでこんなところにスフォルツァンドを配置したのか、というとこの記号がないと単なる音階になってつまらないから、だそうです。
実際にCDで聴いてみるとこの記事で取り上げた箇所は20秒程度。たった20秒だというのにこんなに注意点があるのか・・・。こりゃこの曲を仕上げるのに1年は必要だぞ。
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