一瞬目を疑いましたが紛れもない事実でした。

あわしまマリンパークといえばもはや『ラブライブ！ サンシャイン!!』。これの他にない！

もちろん私も訪れたことがあります。聖地巡礼のために。

『ラブライブ！　サンシャイン!!』は浦の星女学院を閉校の危機から救うためにスクールアイドルAqoursを高海千歌たちが結成し、活動を盛り上げてゆくことで学校の知名度向上につなげるというものでした。周知のごとく、その目的を果たすことは叶わなかったものの、ラブライブ！ で見事優勝を飾り、浦の星女学院の名をラブライブ！ 史に留めることができました。

『ラブライブ！　サンシャイン!!』の佳境に、次のような台詞が登場します。

「楽しい時間というのは、いつもあっという間で・・・。」
「そこにいる誰もが、この時間がずーっと続けばいいのにって思ってるのに・・・。」
「でも、やっぱり終わりは来て・・・。」
「時が戻らない事、もう一度同じ時間を繰り返せない事が、とても寂しく思えるけど・・・。」
「同時に、やっぱりどうなるか分からない明日の方が、ちょっぴり楽しみでもあって・・・。」
「ああ、これが時が進んでいくって事なんだなって、実感できるずら・・・。」
「そして、気付く・・・。きっと二度と同じ時はないから、この時が楽しいって思えるのかな・・・。」
「今こうしている事が、たった一度きりだって分かっているから、全力になれる・・・。」
「いつか終わりが来る事を、みんなが知っているから・・・。終わりが来てもまた、明日が来る事を知っているから・・・。」
「未来に向けて、歩き出さなきゃいけないから・・・。」
「みんな、笑うのだろう・・・。」

これぞスクールアイドルの本質を衝いた言葉です。「推しは推せるときに推せ」のごとく、私たちに残された時間というのは必ず有限のものであって、もし時間が永遠に続くのならば「きっと二度と同じ時はないから、この時が楽しい」という情緒など生まれてくるはずもなく、「終わり」を迎える定めこそが人間らしい感情の根源であると言えるでしょう。

ひるがえって、あわしまマリンパーク閉園のお知らせは、『ラブライブ！　サンシャイン!!』の貴重な聖地がひとつ消滅することを意味するものであり、いかにこの作品が名作であろうとも私たちの住む世界は時間の流れに抗しえないことを表すものです。

「時間」というものがもたらす儚さ、そして輝きへ思いを致しつつ、ここに、あわしまマリンパークの長年にわたる営業に心より敬意を表します。『ラブライブ！　サンシャイン!!』のファンを楽しませようと様々な催しを企画してくれました。ここを訪れることができたのは心温まるひとときでした。本当にありがとうございました。