『バック・トゥ・ザ・フューチャー』では主人公マーティが1955年にタイムスリップし、パーティ会場で「ジョニー・B・グッド」を演奏するシーンがあります。
1955年時点ではロックンロールというものはなく、ビートルズ以前であり、もちろんレッド・ツェッペリンなんて影も形もないですしヴァン・ヘイレンとかイングヴェイ・マルムスティーン何それ美味しいの? でした。
そこにマーティが新しいサウンドを披露したのですから、会場が沸かないはずがありません。ステージの傍らから見守っていた1人がいとこのチャック・ベリーに「これがお前の探していたサウンドだ!」と「ジョニー・B・グッド」を聴かせます。
演奏しているうちにだんだんヒートアップしてきたマーティはライトハンド奏法(ヴァン・ヘイレン)や背ギター(ジミ・ヘンドリックス)など、有名なギタリストのしぐさを真似しはじめますが、観客はだんだんついていけなくなっていきます。
「君たちの子供が生まれるころ、きっと流行るよ」
そういってマーティはステージを後にします。まあ演奏の顛末は微妙でもパーティ会場で父と母をくっつけることができたので大成功でしょう。
もしハイフェッツがコレルリの時代にタイムスリップしたら
『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のこのシーンを見ていてふと余計なことを想像しました。もしハイフェッツがコレルリの時代にタイムスリップしたらどうなるのか?
当時は左手ピチカートとか人工フラジオレットとかスル・ポンティチェロ、コル・レーニョなんていう弾き方は編み出されていませんでした。コレルリもバロック時代の一流ヴァイオリニストとして知られていましたが、彼の前でもしハイフェッツがパガニーニやイザイ、バルトークを演奏してみたら、ヴァイオリンの歴史はどのように変わってしまうでしょうか。もしかしたら100年くらい歴史の速度が早まって、モーツァルトのソナタでさえ重音奏法がゴリゴリに使われていたり、1曲が1時間を超えるようになってしまったり、しまいにゃ東京藝術大学の入試は「3時間かかるベートーヴェンの『ヴァイオリン協奏曲』を暗譜で演奏しなさい」なんていうことになっているのでしょうか。
一応、「タイムトラベルは可能ですか?」とChatGPTに質問してみました。すると、
現時点では、科学的に確認されたタイムトラベルの方法は存在しません。アインシュタインの一般相対論によれば、時間は空間と結びついており、質量があると時間も歪むことが示唆されていますが、これを利用して具体的なタイムトラベルの手段を実現するには、まだ技術的かつ理論的な多くの課題が残されています。
一部の理論物理学者は、特殊な条件下での時間の歪みやワームホールなどを利用することで、理論上はタイムトラベルが可能であると唱えていますが、これらはまだ実証されたものではありませんし、実用化には非常に高度な技術と理解が必要です。
現実のところ、タイムトラベルは物理学や科学の進展において未だに解決されていない難問の一つです。
というわけで『バック・トゥ・ザ・フューチャー』も『時をかける少女』も今のところありえないようです。当然ですね・・・。でももし自分がタイムトラベルできるとしたら、ヴァイオリンを買おうかとためらっている18歳の私に「やめておきましょう」と伝えるでしょう。難しすぎますから・・・。
コメント