世の中には「よくそういう話を聞くけど、本当なの?」といういまいち根拠のない話が数多くあります。
ヴァイオリンの世界では「1日練習をサボると3日分下手になる」とかいうもの。どうやら吹奏楽とか陸上競技でも似たような話があるようです。でも本当でしょうか?
仮に、子供のころからヴァイオリンを練習していた人がいるとします。ところが受験生になったので高校3年生の1年間は志望校合格を目指して勉強に専念するためにヴァイオリンの練習を行わなかったとします。この場合、365日練習をしなかったので1,095日つまり3年間分技術が後退したことになります。この学生の高校時代の技術レベルのピークは高校2年生の3月31日つまり3年生になる1日前。ここから3年分下手になるとすると、中学3年生に進級したばかりの時点まで後退する計算になります。
ということは、高校時代に積み重ねた練習はチャラですね。そんなばかな!!
「1日練習をサボると3日分下手になる」は本当か?
一応ChatGPTに質問してみました。
「「ヴァイオリンは1日練習をサボると3日分下手になる」と言われています。科学的に考えて、これは本当でしょうか? 本当という立場、嘘だという立場、両者の立場を踏まえて真偽を論じてください」。
AIの回答は、
「ヴァイオリンは1日練習をサボると3日分下手になる」という言葉は一種の言い伝えや格言であり、科学的な立証に基づいているわけではありません。このようなステートメントは、努力と練習の重要性を強調するために使われることがありますが、実際には複雑な現象に影響を与える多くの要因が関与しています。以下に、真実性についての異なる立場を示します。
本当という立場:一貫して練習し続けることは、スキルや能力の向上に有益であると言えます。練習を怠ることは、技術の劣化や練習の成果の減少につながる可能性があります。特に継続的な訓練が重要な分野では、日常的な練習が向上に貢献するでしょう。ただし、具体的な「1日サボると3日分下手になる」という数値は単純化された表現であり、個人や状況によって異なります。
嘘だという立場:スキルや能力の変動は個人差があり、練習の影響を決定する要因も複雑です。1日だけの休憩が必ずしも3日分の劣化をもたらすわけではありません。実際の劣化の程度は個別の状況、個人の能力、練習の内容に依存します。また、練習の効果は時間の経過とともに変動することも考慮すべきです。
練習の効果や劣化の速度を科学的に評価するためには、実験的な研究が必要です。そのような研究は、音楽教育やスポーツトレーニングにおいて行われていますが、結果は一般的な法則として言えるほど単純ではありません。したがって、この種の格言は一般的な指針として考えるべきであり、個々のケースに合わせて練習スケジュールを計画すべきです。
まあそうでしょうね。そもそも人にとって覚えやすい「3」という数字が安易に使われている時点で眉唾ものです。
私は過去記事
で、リフレッシュ休暇を取得してニュージーランドに滞在し、帰国してからヴァイオリンを弾いてみたら下手になっていたという体験を公表しています。確かに10日弾かないと弓の使い方といい音階といいグダグダになっていましたが、1週間の入院で10%の筋肉が落ちると言われていますから、ヴァイオリンを弾かないと下手になるのは、「体は使っていないと衰える」に一脈相通ずるものがありそうです。ちなみに女性同僚が帝王切開のあと1ヶ月入院したら、足腰が弱って横断歩道を走って渡れなかったという話をしていました。ということは1ヶ月ヴァイオリンを弾かなかったらやはりどうしようもないほど下手になるということでしょう。
やはり「1日練習をサボると3日分下手になる」というのは、科学的には不正確であっても「遊びに行く暇があるなら弾けや」のような厳しい戒めの言葉と理解すべきでしょう。
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