突然Twitterのロゴが「X」に変わってしまいました。にしてもなんですかこのかっこ悪さ。

Twitterのロゴマークが「X」に変わった。Web版の左上のロゴも従来の「鳥」からXへと変わり、ロード時も「X」と表示されるようになった。

Twitterの公式アカウント(@Twitter)の名称とプロフィール画像も「X」となった。「x.com」ドメインの運用も始まっており、「x.com/ユーザーID」のURLにアクセスすると、そのTwitterアカウントにリダイレクトされるようになっている。

Twitterの運営企業X Corp.を保有するイーロン・マスク氏は、「間もなく我々はTwitterブランドに別れを告げ、すべての鳥にも段階的に別れを告げるだろう」とツイートしていた。また、マスク氏はXロゴを壁面に映したX Corp.本社の画像をツイートした。

(CNET JAPAN 2023年7月24日記事「Twitterの新ロゴ「X」運用開始--鳥マークが段階的に姿を消す
」より)
イーロン・マスク氏の打ち出した方針で決済サービスなどを盛り込んだアプリにTwitterをリニューアルすることを目的とし、Xに名前を変えることもそのプロセスの1つなのでしょう。

しかしダサい。中二病みたいな雰囲気が漂っています。でなければ脱オタクファッションを目指そうとして中途半端に失敗したような感じがします。もうちょいマシなロゴデザインとかネーミングセンスはなかったのでしょうか。何しろ名は体を表わすといいます。短文を投稿できて、なおかつ決済もできるアプリは「X」=謎の何かと言えるのでしょうか。私はそんな気がしないのですが・・・。

こうやって中途半端に変えてしまうくらいなら、いっそ元のままにするという選択肢もあったはずです。何しろ世の中にはいろんなものが流行っては廃れ、流行っては廃れを繰り返します。その移り変わりの中で、自分のお気に入りが無くなってしまうというのはよくあること。そんな中、いつまでも自分を変わらない姿のまま待っていてくれる、いわば「老舗」というのはとてもありがたいものなのです。


ネーミングは難しいらしい

話は変わって、平成に代わる新元号「令和」は、この名前にたどり着くまでに紆余曲折があったようです。
発表の10日ほど前でもはっきりとした案が出てこず、安倍首相(当時)は「日本人の心情に溶け込み、一体感を醸成する感じがしない」と難色を示しました。
学者の皆さんにも、選定に携わった官僚にも大変申し訳なかったのですが、元号は、取り返しがつきません。もし国民から「安倍はなんでこんなものを選んだんだ」と言われたら、元号制度の存立自体が揺らいでしまいます。そうなったら、首相辞任どころの話じゃない。切腹ものでしょう。だから追加で新たな案を出してほしいと発注したのです。

(安倍晋三『安倍晋三回顧録』より)
ちなみに「安」の文字が入った案もありましたが、却下。「安」の字だけは絶対に使うなと指示が出ていました。

そして3月27日に新たな案が出されました。その中に「令和」や「天翔」がありました。天翔も一見するとかっこいいものの、その時点ですでに葬儀社の社名に使われていることが発覚してボツ。
もう一つの「令和」の「令」は令息、令嬢、令室という言葉に気品があり、響きも美しく、ここに和という感じが加わると穏やかさが出てきます。

元号は、天皇陛下を象徴するものでなくてはなりません。私の勝手な思いですが、「令和」という字は、当時の皇太子ご夫妻にふさわしいのではないか、と感じたのです。大正時代は大正天皇とともに、昭和時代は昭和天皇とともに、日本人は歩んできたわけでしょう。時代と天皇は直結していますから、今上陛下、皇后陛下の新しい時代に合った元号として、令和に決めることにしました。

(同書より)
「令和」発表直後の読売新聞世論調査では「令和に好感を持っている」と回答した人が62%で、「なじみにくい感じ」の31%を大きく上回りました。その後の「令和」が広く受け入れられるようになったことから考えると、「令和」を思いついた中西進国際日本文化研究センター名誉教授のセンスが光ります。

話をTwitterいやXに戻すと、この名称変更はここまで考え抜かれて付けられた名前だという気がまっったくしないのです。実際に米X社で働いている従業員もいまいち士気が上がらないのではないか・・・。たまたま安倍元首相の回顧録の改元についての章を読んだタイミングとTwitterの名称変更の時期が重なって、他人事ながら余計な心配をしてしまいました。