THE FIRST TAKEという動画をYoutTubeで観ることができます。セカンドとかサードじゃなくてファースト。ファストファッションのファストじゃなくてファーストだから速いんじゃなくて「一番の」という意味が込められているのでしょうね。

しかも公式サイトをよく見るとTHE F1RST TAKEと書かれています。FIRSTじゃなくてF1RST。TOSHlの最後の一文字がアイじゃなくて小文字のエルlと同じですね(というか元ネタ?)

白いスタジオに置かれた一本のマイク。 ここでのルールはただ一つ。 一発撮りのパフォーマンスをすること」と公式サイトは説明しています。



他にもアーティストは色々いるのに、なぜよりによって日向坂46を取り上げたのか。それは私の趣味です。
それはともかく、THE FIRST TAKEは本当に一発撮りなのでしょうか?

というわけで動画を視聴してみると・・・。

たしかに音程がところどころ微妙だったり、ユニゾンが揃っているのか揃っていないのかはっきりしないところがあります。CD録音ならコンピュータで修正してしまうようなところがそのまま放置なのは確かにライブっぽい音源ですね。

こういうのを見ていて、私は余計なことにふと気づいてしまいました。
アーティストが歌っているのはわかった。ところで、伴奏にまわる楽器の演奏者が映らない(またはアーティストと一緒に映らない)のはどうしてだろう? アイドルが歌って、一発で本当に不特定多数の視聴者の鑑賞に耐えうるクオリティのパフォーマンスができるのか? そう思うと、一発で撮ったのかどうかなんだか疑問なのです。

察するに、楽器の演奏者が出てこないのは、音源は別収録なのでしょう。事前にピアノとかギターの音源を収録し、ヘッドホンから流れてくる楽器の音(とおそらくクリック音)を頼りにアーティストが歌っている。もちろん事前に何度かリハーサルを行う。その上で本番開始。それだと通常のレコーディングとあまり変わりませんが、CD制作過程ではバンドでも楽器ごとに別々に収録するというのはよくあることのようですから、これはこれで問題ないのでしょう。

なんだそりゃ、一発撮りと言わないじゃないかと思うかもしれません。いえ、これも
一発撮りには違いないでしょう。要するに1曲5分歌うあいだ、一度もカットしなければ「一発」撮りしたことになります。一発撮りを10回繰り返し、一番出来がいいものを公開するわけです。

そうなるともはや消防署の人と消防署の方から来た人くらい違いがありますが、この方法なら「一発」と言っても「そらそうよ」になりますからなんの問題もありません。

このように私が余計な勘ぐりをすればきりがないものの、そもそも市販されているライブのDVDも案外音が修正されていることはわりとありがちなものですから、TV番組は真実をそのまま伝えているのではなく放送作家がうまく構成を考えて作られているのと同様に、人に見せたり聴かせたりするために発表される映像や音源というのはもともとそういうものだと言う程度で受け止めるのがいいのではないでしょうか。