私は今もなお渡辺麻友さんのことをいたく応援しています。これは自分なりの儀式というのか何なのか、毎年の大晦日には2017年にさいたまスーパーアリーナで行われた渡辺麻友さんの卒業コンサートのブルーレイディスクを決まって見返すようにしています。あの素晴らしかったコンサートを鮮明な映像で鑑賞したい一心で私はブルーレイ対応のプレーヤーを買いました。結果、ブルーレイディスクというのはPCで再生しようとすると随分気難しいところがあるなという感想です(動き出すまでに謎に時間がかかる)。
とはいえ高解像度で渡辺麻友さんを見ることができるのは嬉しいもの。アイドルとして当時の彼女はまさにピーク、匂い立つような気品といい、完璧を追究しようとするまばゆいばかりの一挙手一投足といい、ステージに立つすべてのAKBグループメンバーが示す渡辺麻友さんへのリスペクトといい、全編にわたり胸が震えます。
(なお、1F席後方で興奮しながら1人でチームBカラーのペンライトを振っている小さい男が映りこんでいるのは私です。解像度が高いというのはそういうことでもあります。)
AKBグループだけでも握手会などの機会にたくさんのアイドルと接した私ですが、やはり渡辺麻友さんはアイドルとしてダントツだったという思いがあります。もう後にも先にもこれほどまでの「アイドル」の適格者は目撃することができないだろうという寂しさとともに、女優としてのキャリアに幕を下ろすにあたっての見事なまでの去り際を思うにつけ、「渡辺麻友」とともに平成という時代を過ごすことができたのはつくづく幸せな巡りあわせだったと思います。
・・・などと考えているとGoogleアラート(キーワードは「渡辺麻友」)がこんなニュースを配信してくれました。
ここのところ、世間を明るくするような話題に乏しい。そんななか、唯一の明るいニュースといえるのが、とにかく明るい安村氏のイギリス人気オーディション番組「ブリテンズ・ゴット・タレント」(BGT)準決勝ステージへの出演。4月に同番組に出演したときも話題になりましたが、おなじみの「はいてますよ」の裸芸がバージョンアップされておりました。
残念ながら決勝進出(優勝すると英国王室の前でパフォーマンスを披露)は逃した、と思ったらなんとワイルドカード枠(敗者救済措置)で奇跡の復活。確かに、会場はバカウケで、審査員は大絶賛。ひとりが、興奮気味に、「どういうキッカケでこの芸を思いついたの?」と質問。
恐らく英語が理解できなかったのだと思いますが、「ア~、オーケー!」と、叫ぶ安村氏(イギリスではトニ・カク。愛称はトニー)。舞台上のMCが即座に「難しい質問はなし」とツッコミを入れておりました。(中略)20年5月に芸能界を引退されて、もう丸3年がたつのですなぁ。これだけのネット社会でも、引退後の麻友様の目撃情報すらありません。
裸芸のネタ元が写真集「まゆゆ」であることは、安村氏が麻友様本人に伝えているそうです(ドン引きされたそう)。(https://www.zakzak.co.jp/article/20230608-PZTDKUZ765KEXGVYXCEXBFPP64/より)
なんと、とにかく明るい安村さんがイギリスに進出してTV番組に出演していました。
惜しむらくは「渡辺麻友さんの写真集がありまして・・・」と説明できなかったことです。こういうときのために英会話はできたほうが良いのでしょうね。
改めて写真集『まゆゆ』を開きます。初版は2011年5月。このときの彼女はまだロングヘアー。人気アイドルとして駆け上るさなかの、みずみずしいばかりの姿。ここには当時の渡辺麻友さんの姿がしっかりと記録されていました。
まさか、今この写真集をイギリスに輸出したらバカ売れするんじゃないでしょうか? あのポーズの元ネタはこんな可愛い少女だった! しかもこの少女はのちにアイドルとして大成し、ミュージカルの主演も務める女優として大輪の花を咲かせることになる! なのに突如として芸能界を引退してしまった!! そんなことがロンドンで話題になるんじゃないか?
・・・などと、ご本人にしてみれば迷惑でしかない勝手な空想を繰り広げてしまうのでした。もう芸能界を引退しているので、今さら「あなたの写真集に感動した。ついてはロンドンで『オペラ座の怪人』に出てほしい」とオファーがもしあってもきっと当惑するはずです。
上記引用記事の結びは「これだけのネット社会でも、引退後の麻友様の目撃情報すらありません」。
まるで『ロード・オブ・ザ・リング』のエルフのように西の国へ去ってしまわれたかのような書き方です。でもそれがご本人の希望だったはずですから、これでよかったのでしょう・・・。でも引退すると知っていたら、私はもっと多くのイベントに足を運ぶべきでした。アイドルとは、「時間」という有限かつ不可逆なものを背負った職業なのです。
「あたかも一万年も生きるかのように行動するな。不可避のものが君の上にかかっている。生きているうちに、許されている間に、善き人たれ」(マルクス・アウレリウス)
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