3年間の平和がついに破られた。我が職場でもついに歓送迎会をすることになってしまった。最悪だ。コロナもっと頑張れ。緊急事態宣言もっと出せ。飲み会潰せ。https://t.co/SPwH84sj4F
— ぼっち (@3_bocchi) May 24, 2023
ありがたいことに2020年から2023年まで職場の歓送迎会とかいう苦痛イベントが一切ありませんでした。理由は言うまでもなく新型コロナウイルス感染症の影響です。
私は「なぜここまでのコストをかけて感染拡大を防ごうとするのだろうか。そのコストは具体的に誰がどのように負担するのだろう。きっと誰もがウヤムヤにしてこの嵐が過ぎ去ったあとは知らんぷりして忘れてしまうだろう。でも特別定額給付金だけちゃっかり受け取るだろう。無責任な国民だ」と2020年2月からずっと疑問に思い、また呆れていました(過去の「時評」カテゴリなどで関連記事が見つかるはずです)。
それはそれでいいこともあったのもまた事実。
職場関連では、人と昼食を食べることが一切なくなり、同僚としょうもない会話で時間を削られることがなくなりました。1人でタブレット端末でNHKのドキュメンタリーなどを見たり本を読んだりととても有意義な時間を過ごすことができました。
さらに歓送迎会が一切なくなりました。
歓送迎会。こんな苦痛な時間は他にありません。私はこのブログタイトルからも察せられるように友だちがいません。「絆」「感謝」「連帯」「仲間」「みんなで」「安全」「安心」。聞いただけでヘドが出ます。「孤独」「自由」「自己責任」「リスク」。想像しただけでテンションが上がります。
そんな私にとっては飲み会こそ苦痛いや地獄。こんなことに2,3時間私の時間を盗むなら謝罪と補償を要求したい。いや補償じゃなくて賠償と言ってもいい。
何しろ私は職場の人間関係に一切関心がない。よその家庭の息子が高校に合格しようが落ちようがどうだっていい。うちの夫がスピード違反で捕まった? ああそうですか。私は次の異動では資材調達部に行きたい? 知るか。ああこんな話を聞かされて30分経過してしまった。ジョギングしてたら5kmは走れたでしょう。なんてもったいない。
しかし思ったことを口に出さないのが大人。私も「くだらん」なんてことは全く言わず、ひたすらニコニコしながら話を聞くようにしています。で、ワイ城=家に帰ってきてから思いっきり悪態をつくのでした。
え、飲み会は人間関係の潤滑油だ? でも3年間飲み会がありませんでした。それでも人間関係がきしみを立てたことなんて一切ありませんでした。ってことはなくてOKってことでしょう。コロナ前はもっと人間関係が充実して幸せでしたか。たぶんそうじゃなかったはずです。
面白いことに、World Happiness Report 2023によると、日本人の幸福度は2020年から2023年にかけて上昇しています。2020年には幸福度ランキングは世界で62位。2021年には58位。2022年には54位。2023年は47位。理由は、たとえば・・・。
「人と会うのが苦手なので、リモートワークで嫌な上司や同僚と顔を合わせなくてすむのは嬉しいです。満員電車に揺られることなく、ギリギリまで寝ていて同じ給与がもらえて、まさにコロナ天国でした。ただ、当社でも今年から出社が増えて、今は憂鬱です」(40代男性・会社員)
「外出制限で家族と一緒に過ごす機会が増えたし、自分を見つめ直すゆとりも生まれました。日々の生活の質は、以前よりかなり上がったように思います」(60代男性・自営)
「コロナ前まで、スーパーで買い物し、友人とカフェでしゃべり、ということを当たり前にしていました。コロナになって、その当たり前が難しくなり、逆に、厳しい環境の中でも家族とだんらんし、健康で穏やかに過ごせていることが、とてもありがたく、しみじみ『幸せだなぁ』と感じられるようになりました」(50代女性・専業主婦など複数の女性)(東洋経済オンライン日沖 健氏記事「コロナ禍の3年で日本人は幸福になった納得理由 幸福度ランキングはコロナを機に反転上昇へ」より)
このように、「他者と接すること」を負担に感じる反面、1人で(または、家族と)過ごす時間が持てたことを嬉しく感じる人も一定数いるのです。職場の飲み会というのはそういう「一定数」の人もそうでない人も一緒くたに「出ろ」と言わんばかりの雰囲気があり、はっきり言って多様性の尊重もへったくれもありません。
そして私の職場でもとうとう飲み会が蘇ってしまいました。封じ込めたはずの大魔王が復活するとかいうドラクエみたいなパターン。憂鬱です。
田中芳樹さんの小説『銀河英雄伝説』でヤン・ウェンリーはこう語ります。「恒久的な平和なんて歴史にはなかった。だが何十年かの平和で豊かな時代は存在した。要するに私の希望は、たかだかこの先数十年の平和なんだ。だがそれでも、その十分の一の期間の戦乱に勝ること幾万倍だと思う」。
ほんとそれ。たかだか3年の平和でした。たった3年! たったの3年! でも飲み会があるこれまでの数十年、そしてこれからの数十年にくらべるとどれほど有意義だったことか・・・。
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