たまに聞くのが「楽器を盗まれた」とかいうお話。公園でトランペットの練習をしていたが、目を離した隙に盗まれたとか、大学の部室に保管していたエレキギターを盗まれたとか、治安がいいはずの日本でもそういう話はキリがありません。
とくにヴァイオリンは高いものと知れ渡っていますから、これを狙う人がいても不思議ではありません。しかし高額商品ゆえの売却しづらさというのもあるようです。
2022年4月16日朝日新聞(夕刊)記事には次のように書かれていました。
1360万円の盗難バイオリン、高すぎて売れず? 3カ月後、パリ路上で発見
パリのオーケストラ奏者が使っていた19世紀末のバイオリンが、盗難から3カ月あまりを経て路上に放置された状態で見つかった。フランスメディアが15日までに相次いで報じた。10万ユーロ(1360万円)とされる高額品ゆえ、逆に現金化できなかったのではないかとの見方が出ている。盗まれたのはシャンゼリゼ管弦楽団のエンリコ・テデ氏のバイオリン。昨年11月末、欧州ツアーを終えてパリに戻る列車内で姿を消した。3月になって発見されたとの連絡を受けたという。楽器は無事だった。(中略)仏紙パリジャンは、楽器の盗難が増えているとしたうえで、専門家の言葉を引きながら、貴重で高額な楽器を売却して現金化するのは、ほぼ不可能だと伝えた。(パリ=青田秀樹)
このように、ヴァイオリンなんてササッと売り払って終わりだと思うかもしれませんが、案外そうではない模様です。ただし闇ルートで売却する場合は別でしょう。たとえば北朝鮮とか、マフィアとかそういうのが関わっている場合です。でもそういうルートを知っているということは完全にそっちの世界の人ですから、狙われたら一巻の終わり一巻の終わりだと思ったほうがいいですね。
私の場合は盗難対策としてヴァイオリンケースにポムポムプリンのぬいぐるみをつけています。
なぜそれが対策になるのかというと、ヴァイオリンケースにそういうものを付けているとまるで女子高生みたいに見えてしまいますね(私自身がサンリオの株主かつポムポムプリンのファンだというのもありますが)。
ヴァイオリンを盗むとかいう犯罪を犯すのはたいてい男だと相場が決まっていますが、男が女子高生みたいなケースを持ち運ぶのはものすごく気恥ずかしいでしょうから、ポムポムプリンがある意味防犯対策だと言えます。
ただこれもぬいぐるみを取り外してしまえばそれで終わる話なので十分な対策とまでは言えないでしょう。ただ、「女子高生が持ってる楽器か。しょせん学生が使う楽器だからたいした値段ではあるまい」と思い込ませるというカモフラージュくらいにはなりうるでしょう。
ちなみにヴァイオリンに限らず、世の中にはクラシックのCDを大量に盗む奴もいるようです。
今は無き「クラシック・スナイパー」という雑誌では、それこそごっそりとCDを盗まれたというお話が掲載されていました(もう10年以上前の話です)。被害者の方はマメな性格だったらしく、CDにひとつひとつ「何年何月何日、どこで購入した」のようなメモを書き入れていたとか。そこで「こういうメモがあるCDの買取依があったら盗品なので私に連絡してほしい」と中古CD取扱店に連絡を入れまくったところ、そのようなCDが見つかったという情報が寄せられたそうです。
そのCDを持ち込んだ人物を調べ、家の前まで行ってみたものの(北関東のとある町だとか)、相手は外国人らしいとわかり、「これはヤバい奴だ」と思って自分ではそれ以上追及しませんでした。
以上のいきさつについて警察に相談したものの、型通りの調書を作成してそれで終わりになってしまったとか。どうやらこの人の地元の神奈川県警は「他にも事件があって忙しい」ことを理由に空き巣を捕まえないのだとか。
この人とは無関係ながら、横浜市に住んでいる方が空き巣の被害に遭ったところ、やはり警察は「他にも事件があって忙しい」のようなことを言って定型的な書類をつくってそれで終わりだったそうです(これはご本人がそう言っているのを私が直接聞きました)。
この話、一番ひどいのは犯人でしょうか、それとも神奈川県警でしょうか・・・?
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