クレーマーという言葉でGoogle検索すると、併せて「知能 低い」のようにサジェストされることがあります。
ということは多くのGoogleユーザーが「クレーマーは無理難題をふっかけてきて一方的にキレる。ということは知能が低いのだろう。そうに違いない」と推測し、これをサポートしてくれるウェブサイトを発見しようとしているのでしょう。
たしかにクレーマーというのは理解不能な行動をとるものです。
私も原宿竹下通り入口にある吉野家でクレーマーを直接目にしたことがあります。そもそも原宿で食事をするのに吉野家というチョイスが間違いでしたね。原宿ならわが国を代表するドッ硬派喫茶店、ポムポムプリンカフェ一択に決まってるだろ。
このクレーマーは、店員さんが自分が注文したものとは違うメニューを持ってきたところ、「普通そんなリアクションするわけないだろ」というレベルで怒鳴り始めたのです。こっちの食事まで不味くなります。このように「常識的に考えたらこれくらいだ」という妥当なレベルを超えているわけですから、そりゃ知能が低いと思っても不思議ではありません。
クレーマー、じつは賢かった
でも本当はそうじゃないようです。
このクレーマーって、大抵中高年の男ですよね。しかも大抵服がダサい。示し合わせてそんな服を着ているのかと思うようなダサさ(上述のおっさんも服装がダサかった)。女子高生クレーマーとかOLクレーマーとかジャニーズ風クレーマーとか赤ちゃんクレーマーなんて見たことないですよね。
関西大学・池内裕美教授は不当な要求・因果関係不明・恐喝・業務妨害する人物を悪質クレーマーとしており、このような振る舞いをする人は中高年男性に多いと指摘しています。これは、人というのは年を取ればとるほど、その人生経験から多用な視点を獲得し、「自分はこう思っているけれど、この人は違った風に受け止めるかもしれない」といった寛容性を身につけるわけではなく、むしろ考え方が凝り固まって極端になっていくことを示唆しています。
さらに、クレーマーというのは高学歴・高所得者層であり、そのことが自尊感情が高く完璧を求めること、だからなのか社会に対する不満を募らせやすいという特徴があるとか。
このことは山口真一氏の著作『正義を振りかざす「極端な人」の正体』に書かれていたことですが、山口氏は慶應義塾大学・田中辰雄教授と「ネット炎上」について分析を行ったことがあるとも記されていました。
これによると、炎上に参加する傾向があるのは「男性」「年収が高い」「主任・係長クラス以上」だとか。なんだか「クレーマーは知能が低いだろう」というイメージとは結びつきにくいですね。
とすれば私が吉野家で見た光景は一体何だったのか。あのおっさんは原宿じゃなくて競馬場のほうが似合うだろうという風貌をしていました。それに喋り方からして知的なところはひとかけらもありませんでした。統計で言うところの「外れ値」なのでしょうか。
にしても高学歴・高所得者層にクレーマーが多いというのは私の想像を裏切るものでした。いわゆる億り人になっても不満を抱えるということは、資産が多い・少ないというのはその人の幸・不幸を決定づけるものにはなり得ないようです(たしかに年収がもっと低かった社会人駆け出しのころの自分が今より不幸か、というとそうでもないと思います)。
自分がクレーマーとならないためには、やはり必要以上に不満を募らせないようなメンタルヘルスを維持することが大切なようです。
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コメント
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そして世の中の市販のものは一般人でも買えるほど安いものが多い