マッチングアプリを使っているといつか必ず出くわす詐欺師。いわゆる国際ロマンス詐欺というやつですね。
相手は外国人で、医師とか軍人とかパイロットとか経営者とか、プロフィール画像もジャニーズとか乃木坂のように美男美女。「ワイがそんな奴と出会うわけないだろ」とツッコミたくなりますが、「もしかして大当たりを引き当てたんじゃないか?」と錯覚してしまうのが人情というもの。いや少しは疑えよ。

頭から信じてしまった人は、何らかの口車に乗せられて多額のお金を詐欺られます。
SNSやマッチングアプリが急速に普及して、世界中の人々とスマホ一つで交流できる現代。大学生にとっても、国際ロマンス詐欺は遠い世界の話ではないのです。

もしあなたの元に、大好きなBTSのメンバーだと名乗る人からメッセージが来たら? 本人でなくとも、「BTSに会わせてあげる」と誘われたら?

実際に、BTSのジョングクになりすました男性に、300万円を振り込んでしまった日本人女性の事例も話題になりました。

(https://kindaipicks.com/article/002610 より)

そういう奴と何度もマッチングすると、ああまたこれか、ちょっとからかったるわププといった仏心も芽生えてこようというもの。私も暇人ならわざとLINEのIDを交換して投資詐欺に引っかかったふりをしてその一部始終をこのブログで晒します。慢性的ネタ不足に悩む私にしてみればしめたものです。できれば1記事じゃなくて3記事くらいのボリュームになればいいですね。

しかし現実には私も一応社会人であり仕事したりランニングしたりヴァイオリンの練習したりCDを聴いたり本を読んだり酒を飲んだりとブログ以外でも色々やることがあるのでマッチングアプリばかり使っているわけにもいきません。

というわけで、台湾からの帰国子女で配偶者と死別したとかいう女さんとマッチングしたところ、3~4ターンでLINEしたいとか言ってきました。1記事にしかなりませんがやり取りを晒してみます(原文ママではありませんのでご了承ください)。

「初めまして。〇〇と申します。たくさんの男性会員の中から見つけていただきありがとうございます、云々」

「初めまして。よろしくお願いします」

「女さんはどこの国にお住まいだったんですか」

「台湾です」

「台湾ですか。素敵でいいですね。食べ物もきっとおいしいんでしょうね」(注:本当は台湾のことは詳しく知らない。この時点ではまだ詐欺師と認識しておらず、友好的な雰囲気を醸し出すためにとりあえず「素敵でいいですね」と心にもないことを書いてみた。)

「そうなんです。台湾は〇〇と〇〇が美味しくて、親日的なんですよ。ぜひ遊びに行ってみてください」

「そうなんですね! そろそろ海外旅行も行けそうになってきましたね」(注:この会話は2023年4月に行われました。2023年5月8日をもって新型コロナウイルス感染症対策のための水際措置は終了する予定です。)

「〇〇さんのことをもっと知りたいのでLINEでお話しませんか?」

唐突だなおい。てか、女からLINE交換を切り出すって身の危険を少しも考慮しておらず、迂闊すぎないか? お前、さては詐欺師だな? (と思った瞬間、「お前、さてはえなりだな?」と某ドラマの渡辺麻友さんのセリフが蘇った。要するに私は渡辺麻友さんをいたく応援しているのです今も。)

これ以降、べつにこの女さんと会話する必要はないのですが、一応こいつが本当に詐欺師だということを確かめるために、次のようにメッセージを送りました。

「はい、大丈夫ですよ。ではまずはビデオ通話をしてみて、それからLINE交換はいかがでしょうか」

私が使っているマッチングアプリにはビデオ通話機能が実装されていて、リアルで会わなくても1日15分間ならお互いの表情を見ながら会話することができます。もしこの人がまともな人ならNOとは言わないはず・・・。

でも案の定でした。この女さんはダンマリを決めこみ、そのあといつの間にか私のメッセージ相手一覧から消滅していました。案の定えなり否詐欺師だったのでしょう。

それにしても。「ダンマリを決めこみ」って普通の女さんでも当たり前のようにやってることです。
私だけに起こった出来事ではなく、たとえば東京都立大学准教授・高橋勅徳氏は次のように体験を語ります。
「片っ端から申し込むショットガン方式でアプローチしたら、月に1人か2人マッチしました。しかしその後、チャット機能で『お仕事は何をしているのですか』とか『休日は何をしていますか』というやりとりをしたら、だいたい3ターンくらいで終わりました」

 「お見合いで15人くらいにお会いして分かりました。相手はたいてい、休日は『ネットフリックスで海外ドラマを見ています』『カフェ巡りしています』と言いますが、具体的なドラマやカフェに話を広げようとしても、答えてくれない。僕には情報を開示してくれないのです。必要な情報を取得して、条件に満たないと判断されたら、シャットダウンされてしまうのです」

(朝日新聞2023年4月17日記事「マッチングアプリは「人間の本音を解放する」 経営学者は心が折れた」より)
なんじゃこりゃ。都合が悪くなったらいなくなるのは詐欺師も女も同じだな!!